70代男「生活カツカツで」フライドチキンを万引き 否定する元公務員の女は驚きの言い訳…Gメンが見た犯行の瞬間

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商品を隠すようにマイバッグに移し替える女。万引きの瞬間だ。
陳列棚の間で座り込む男は、堂々と商品をリュックの中へ。こうした万引きに日々、目を光らせているのが、万引きGメン。
お金を払わず店を出た男に声をかけて話を聞くと、「ある物はとりあえず、もらっちゃえばというのが本音なんです」と耳を疑う言い訳が…。
身近に起きる万引きの実態を取材した。
さいたま市にある激安スーパー。店内を万引きGメンが巡回していると…。
万引きGメン:手がいくんですよね、カバンに。
Gメンの目にとまったのは、カゴの中に手を入れて歩く、赤いジャケットを着た男。カゴには、商品とマイバックが入っている。
別の場所でも、カゴの中に手を入れ、もぞもぞと動いている。何をしているのか?Gメンが男の後を追うと…。
万引きGメン:総菜やった。
Gメンの1人が、万引きの瞬間を見逃さなかった。男に近づきカゴの中を見ると。
万引きGメン:総菜1点、フライドチキン入ってる。
支払い前の商品をカゴからマイバッグに移し替えていたのだ。その後、カゴに入った商品だけ会計を済ませ、そのまま出口へ向かった。
店を出たところで声をかる。
万引きGメン:お店の保安員なんですが、弁当ともう1個買ってもらたっけど、総菜はお金払ってないですよね?
男:えーー。
体をのけぞらせて驚く男。
男:ごめんなさい。
万引きGメン:一緒に謝りに行こう。
素直に万引きを認めた。事務所に移動し、詳しく話しを聞く。万引きしたのは、278円のフライドチキン1パック。一体なぜ万引きしてしまったのか?
万引きGメン:なんでこれだけお金払わなかったんですか?
男:ごめんなさい。
万引きGメン:どうしてやっちゃったのかなという話ですよね?
男:どうして…。
男は70代で現在、妻と娘の3人暮らし。年金をもらい生活をしているというが。
男:(生活が)カツカツどころじゃなくて、何もできないんですよ。
万引きGメン:少しでも節約したくてというか?
男:そうです。
万引きGメン:ちょっとでもいい物食べたいけど、お金払うのはちょっとっていうので。
男:はい、そうです。
生活が苦しいとはいえ、万引きは犯罪だ。10年以下の懲役、または50万円以下の罰金が科せられる。
店の責任者:我々も必死になってやってる。(安価で)相当我慢して売ってるわけだから、お父さんも我慢しなきゃダメだよ。
男:悪かったです。本当に申し訳ない。
警察官も到着し、さらに詳しく取り調べを受けることになった。
続いて、黒い帽子をかぶりカートを押している女。カートの手前の方に黒いマイバッグが置いてある。
通路でGメンとすれ違ったその時。
万引きGメン:なんか投げ込んだ、バッグ広げて。
映像を確認すると、女がマイバッグに何かを入れていた。女に接近してバッグの中を見てみる。
万引きGメン:商品っぽいの入っているよ。次に投げ込むとしたら、手前にあるチェルシーかな。
すると女は、カゴの中の商品を動かし始めた。
万引きGメン:チェルシーを落下しやすい位置に移動させた感じあるな。
キャンディーの袋が、不自然にカゴからはみ出している。マイバッグの近くに置き換えたのだろうか。
万引きGメン:通路に入ったら(バッグに)投げ込むパターンだと思う。やるとしたら。
警戒するように周りを見てから、通路に入る女。Gメンが後を追う。
万引きGメン:入れてる、入れてる。挙動あるよ。あ!入れるよまた。入れたね。入れた。
女に接近してカゴの中を見ると…。
万引きGメン:チェルシーなくなってるよ。
先ほどまであったキャンディーが、なくなっていることを確認。女は会計を済ませたが、支払ったのはカゴに残った商品分だけ。女が店を出たところでGメンが声をかける。
万引きGメン:お客さんこんにちは。私、お店の保安員なんですけど。
女:はい?
万引きGメン:未精算の商品って、このバッグの中に入ってたりしませんかね?
女:しません。
万引きGメン:しませんか?
女:はい。大丈夫。
女はハッキリとした口調で万引きを否定。
万引きGメン:ちょっと確認したいんですけど、大丈夫そうですかね?開けていただいて大丈夫ですか?
女:はい。
万引きGメン:この辺とかどうですか、これは?
女:すみません。
万引きGメン:お金払ってる?
女:払ってなかったです。
万引きGメン:今ね、しませんって僕に言ったじゃないですか?嘘?
女:うん、ちょっと嘘。
女は観念したのか、小声になり万引きを認めた。事務所で話を聞くと、女は自ら万引きした商品を机の上に出し始めた。そこには、カゴから消えていたキャンディーも。
万引きGメン:これは未精算の商品で間違いないですか?
女:はい、すみません。
万引きGメン:お金は払ってない?
女:そうですね。
万引きしたのは、うまみ調味料とらっきょう、油揚げ2つにキャンディーの5点。合計875円だった。
女は70代の元公務員。夫と2人、年金暮らしで経済的には余裕があるという。では、なぜ万引きをしたのか?
女:主人と昨日の夜、ケンカしたので、気持ちのささくれがあったみたいです。
家庭でのストレスを解消するために万引きをしたと話す。
万引きGメン:他人に迷惑をかけることによって、気持ちが落ち着くということなんですか?
女:いえ、そんなことないですけど…。
万引きGメン:でも、あなたはそういう選択をしているということだよね?
女:今回はそうです。
店の責任者:なんでバッグに入れちゃうかな、イライラしたくらいで。
女:そうですね。本当に今、そうだと思っています。
通報を受け警察官が駆けつけた。
警察官:イライラして物を盗んでいいの?
女:ダメ。
警察官:出来心かもしれないけどダメですよね。たった数百円でお店がつぶれちゃうことだってあるんですからね。ダメですよ、本当に。
女:はい。
女はこの後、警察署でさらに詳しく取り調べを受けることになった。
どんな理由があっても、万引きは犯罪だ。許される行為ではない。
(「イット!」3月27日放送)

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