「オレに早く死んでほしいのか!」1億円の財産がある80代の父親に、「生命保険」を勧めて起こった親子の修羅場

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相続対策がブームだ。しかし、やり方を間違えると大損したり、大もめの「争族」に発展する。その行動は正解か、大間違いか? 実際の事例をもとに、クイズ形式で正しい手続きを学ぼう。
林田光男さん(53歳、仮名)には80歳を過ぎた父がいる。東京23区内に一戸建てがあり、大企業に勤めたこともあって、資産は1億円を超えるはずだ。
「このままだと高い相続税を払わされることは間違いない」と考えた光男さんは、父に「そろそろ相続対策を考えて、生命保険に入ってみないか」と相談してみた。
相続対策は早めに準備するに越したことはない。光男さんの見通しは間違っていなかった。だが、理屈では通らないことがあるから相続問題はややこしい。
「父は『保険で減らせる税額なんて知れている』『十分なものを遺すからお前は心配するな』の一点張り。しかし、対策をするかしないかで税額が数百万円単位で変わってくることは明らかでした。
そこで私は根気よく説得しようと、何度も話をして保険のパンフレットを見せたり、相続に関する雑誌の切り抜きを見せたりもしました。
すると、ついに父は腹を立て、『そんなにオレに早く死んでほしいのか』と怒鳴り、親子げんかになってしまいました」
Photo by iStock
それ以来、父とはすっかり疎遠になっている。税理士の天野隆氏が忠告する。「子供から老親に死後の手続きを迫ると、もめることが多い。70代を過ぎて、人生の残り時間が見えてくると、誰でも切迫感を感じるもの。下の世代に『死後の準備をしろ』と言われれば、気持ちがいいはずがない」そこで、お勧めなのが自分や親の誕生日などに一人で親の話をじっくり聞いてあげること。おカネの話をしないで、暮らしの不安などを聞く。「無理に誘導せず、話しやすい空気を作ることが重要です」(天野氏)答え→×。相続の話はゆっくり根回しをしてからでないともめやすい。昔から知っている税理士に相談大切な財産のことを話すので、初対面の税理士よりも見知った人のほうが安心だと考えるのは自然なことだ。だが、税理士といっても専門性は様々。相続専門の知識がない人に相談すると、とんちんかんな対策ばかり提案される可能性があるから要注意だ。「知識のなさを誤魔化してなんとか自分で対処しようとする税理士もいる。こちらの質問に対して中途半端な答えばかりが返ってきて、実務が滞ることになる」(天野氏)Photo by iStock そもそも税理士の試験で、相続税法に関する科目は選択制。基本的な相続税の知識もない税理士もいるのだ。ファイナンシャルプランナーの牧野寿和氏はこう警告する。「土地の評価の計算や遺産分割の方法でも支払う税金はかなり変わります。単純に金額の公平性の面だけで決めてしまって、相続人のあいだでもめてしまうこともある。普段から付き合いのある税理士なら、相続に強い同業者を紹介してほしいと頼んでもそんなに嫌な顔はされないはずです」答え→×。税理士は付き合いの深さよりも専門性で選ぶべきだ。「週刊現代」2023年2月25日号より後編記事『知らないと「数百万円」の大損…! 親の財産を守れる相続・贈与の「スゴすぎる裏ワザ」』に続く
それ以来、父とはすっかり疎遠になっている。税理士の天野隆氏が忠告する。
「子供から老親に死後の手続きを迫ると、もめることが多い。70代を過ぎて、人生の残り時間が見えてくると、誰でも切迫感を感じるもの。下の世代に『死後の準備をしろ』と言われれば、気持ちがいいはずがない」
そこで、お勧めなのが自分や親の誕生日などに一人で親の話をじっくり聞いてあげること。おカネの話をしないで、暮らしの不安などを聞く。
「無理に誘導せず、話しやすい空気を作ることが重要です」(天野氏)
答え→×。相続の話はゆっくり根回しをしてからでないともめやすい。
大切な財産のことを話すので、初対面の税理士よりも見知った人のほうが安心だと考えるのは自然なことだ。
だが、税理士といっても専門性は様々。相続専門の知識がない人に相談すると、とんちんかんな対策ばかり提案される可能性があるから要注意だ。
「知識のなさを誤魔化してなんとか自分で対処しようとする税理士もいる。こちらの質問に対して中途半端な答えばかりが返ってきて、実務が滞ることになる」(天野氏)
Photo by iStock
そもそも税理士の試験で、相続税法に関する科目は選択制。基本的な相続税の知識もない税理士もいるのだ。ファイナンシャルプランナーの牧野寿和氏はこう警告する。「土地の評価の計算や遺産分割の方法でも支払う税金はかなり変わります。単純に金額の公平性の面だけで決めてしまって、相続人のあいだでもめてしまうこともある。普段から付き合いのある税理士なら、相続に強い同業者を紹介してほしいと頼んでもそんなに嫌な顔はされないはずです」答え→×。税理士は付き合いの深さよりも専門性で選ぶべきだ。「週刊現代」2023年2月25日号より後編記事『知らないと「数百万円」の大損…! 親の財産を守れる相続・贈与の「スゴすぎる裏ワザ」』に続く
そもそも税理士の試験で、相続税法に関する科目は選択制。基本的な相続税の知識もない税理士もいるのだ。ファイナンシャルプランナーの牧野寿和氏はこう警告する。
「土地の評価の計算や遺産分割の方法でも支払う税金はかなり変わります。単純に金額の公平性の面だけで決めてしまって、相続人のあいだでもめてしまうこともある。普段から付き合いのある税理士なら、相続に強い同業者を紹介してほしいと頼んでもそんなに嫌な顔はされないはずです」
答え→×。税理士は付き合いの深さよりも専門性で選ぶべきだ。
「週刊現代」2023年2月25日号より
後編記事『知らないと「数百万円」の大損…! 親の財産を守れる相続・贈与の「スゴすぎる裏ワザ」』に続く

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