日本将棋連盟は13日、今年に入り「鼻出しマスク」によって3回の公式戦反則負けを喫した日浦市郎八段に、対局停止3か月の懲戒処分を下すことを発表した。期間は2月13日から5月12日まで。
同連盟は、7日に行われた第81期名人戦C級1組順位戦での日浦への反則負け裁定後、規定に則って倫理委員会を招集。8日に開催された倫理委員会において、懲戒処分の要否及び相当性が検討され、日浦八段への弁明機会の付与を経て、同委員会より連盟理事会宛に本件に関する答申書が提出。答申書の提出を受けて、連盟では10日に臨時の理事会を開催し、処分を決議したという。
日浦八段はこれまで、2月1日の第49期棋王戦コナミグループ杯予選、1月10日、2月7日の第81期名人戦C級1組順位戦で「鼻出しマスク」を理由に反則負けとなっていた。
日本将棋連盟は「対局中のマスク着用義務の有無については議論があるところ、当連盟としては、所属する棋士・女流棋士には、高い公共性を求められる公益法人として政府の方針・基準に則った対応をする旨を定例報告会の場等で十分示してきました。ここへきて、政府よりマスク着用の緩和方針が示されつつありますので、最新情報を見極め、臨時対局規定の改善や改廃について引き続き適切に判断して参ります」とコメントしている。
▼日本将棋連盟が発表した決定事項は以下の通り。
・日浦八段は、立会人の裁定及び処置に従わず、実質的な対局放棄を繰り返しており、倫理懲戒規程に基づき、対局停止3ヵ月の懲戒処分とする。
・日浦八段の行動は、臨時対局規定第1条(マスクの着用義務)、対局規定第3章第9条第3項(立会人の裁定及び処置に従う義務)、対局規定第2章第1条(棋士の公務)に違反し、倫理懲戒規程第5条1項1号(本連盟の目的に反する行為をしたとき)、同5号(会員規程8条、本規程その他本連盟の諸規定に違反したとき)に該当する。
・処分効力期間は令和5年2月13日より令和5年5月12日までとする。