毎日の行動報告やニセの不動産書類まで。警察をかたった特殊詐欺が全国で相次ぐ中、不審な電話を受けた愛知県内に住む女性を取材しました。
【写真を見る】激増するニセ警察官による詐欺 不審な電話を受けた女性がその手口を語る 日々の予定を「定時連絡」 “身の潔白を証明するため”に通帳番号と残高を教えてしまい…
(80代女性)「愛媛県警の警察だと言って(電話が)かかってきて、私が詐欺集団の仲間だと(言われた)」
愛知県内に住む80代の女性。ことし8月、愛媛県警捜査2課の「サトウ」をかたる男から不審な電話がありました。
男は、女性が「詐欺集団による犯罪に関わっている可能性がある」と伝え、LINEのビデオ通話では警察手帳だとするものを見せるなど、女性を信じ込ませます。
そして…(80代女性)「そうではないことを証明するためにいろいろやり取りをして、銀行の通帳番号を教えてくれと言われて、残高がいくらあるかまで言ってしまった」
「身の潔白を証明するためには口座を凍結する必要がある」と言われますが、女性がこれを断ると、「紙幣の番号で“カネの流れ”を確認しなければならない。預金を引き出し、こちらが指定する口座に後日、振り込む必要がある」などと要求されます。
さらに…(80代女性)「用事があるときは『この日は1日いません』とか全部言う。朝と夜もちゃんと連絡した」“定時連絡”と称して、日々の予定を報告。女性は家族構成も伝えていて、電話はいつも一人の時を狙い、かかってきたといいます。
(80代女性)Q.電話はどんな内容?「『家族には言ってませんよね?大丈夫ですよね?』という感じ」Q.家族に相談しようとは思わなかった?「全然思わなかった。『するな』と言われたし。これ(守秘義務誓約書)を最初に(ビデオ通話で)見せられた」
やりとりをはじめて約2週間後。女性のもとに「不動産重要書類」と書かれたファイルが送られてきます。そこには総額2200万円以上を振り込むという内容が…。(80代女性)「何でもなくてお金を下ろしたらおかしいから、土地を買ったことにして、これに署名して、銀行に持っていって口座に振り込むように言われた」銀行の窓口で怪しまれないために、不動産の売買契約書とする書類を使うよう言われました。ただ、直筆の署名がないことなどを不審に思った女性は、要求に応じないことを決めます。
(80代女性)「『振り込みはやめます。逮捕状出してもらっても、勾留されてもいいからやめます』とはっきり言った」Q.どんな返答があった?「『わかりました。ただ今まで送った書類は全部処分してください』と言われた」女性はカネをだまし取られることはありませんでしたが、しばらくは不安を拭えませんでした。
警察官をかたる電話詐欺。愛知県内におけることし1月から9月までの認知件数は631件で、被害総額は去年の同じ時期に比べ、倍以上となる約76億5000万円に上ります。
今回、取材に応じた女性はこれまでにも2回、金銭的な被害はありませんでしたがオレオレ詐欺などの被害にあってきました。(80代女性)Q.4回目はだまされないと言い切れる?「わからない。違う状況で電話がかかってきたら、また信じるかもしれない」同居する娘は…(80代女性の娘)「そのレールに乗っかっていると本人はなかなか気がつけないから、周りがどこまでフォローできるか」愛知県警は「身の潔白の証明や、金銭の振り込みを警察が指示することはない」として注意を呼びかけています。