「脳梗塞」のサインとなる「目の症状」はご存知ですか?原因についても医師が徹底解説!

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脳梗塞のサインとなる目の症状は「全体がかすむ」と「片目が真っ暗」どっち?メディカルドック監修医が初期症状や原因も解説します。
監修医師:村上 友太(医師)

脳梗塞とは、脳の血管が血のかたまり(血栓)や動脈硬化などによって詰まり、脳の一部に十分な血液が届かなくなる病気です。脳の細胞は酸素や栄養が不足すると障害を受けるため、手足の麻痺、ろれつが回らない、言葉が出ない、顔のゆがみ、ふらつきなどの症状が突然現れます。 脳梗塞というと手足の麻痺をイメージする方が多いかもしれませんが、実は「目の症状」が最初のサインになることもあります。例えば、片目が急に真っ暗になる、視野の半分が見えなくなる、物が二重に見える、急に見えにくくなるといった症状です。 目の病気と思われがちな症状の中に、脳や首の血管の異常が隠れていることもあるため注意が必要です。

脳梗塞では、手足の麻痺や言葉の障害だけでなく、目に関する症状が現れることがあります。特に、「片目が急に見えなくなった」「物が二重に見える」「視野の一部が欠ける」「強いめまいやふらつきを伴う」といった症状は注意が必要です。 また、このような症状が数分から数十分で自然に治った場合でも安心はできません。一過性脳虚血発作(TIA)と呼ばれる脳梗塞の前触れである可能性があり、早急な受診が必要です。
一過性黒内障とは、片目だけが突然見えなくなる症状です。 「黒いカーテンが上から下りてきた」「突然真っ暗になった」と表現されることが多く、数秒から数分程度で自然に回復する場合があります。 しかし、一時的に治ったとしても安心はできません。目や脳へ向かう血管の血流が一時的に悪くなっていた可能性があり、脳梗塞の前触れであることがあります。
複視とは、物が二重に見える状態です。 特に、片目を閉じると改善し、両目で見たときだけ二重に見える場合は、脳や目を動かす神経の異常が関係している可能性があります。 脳幹と呼ばれる重要な部位に脳梗塞が起こると、複視に加えて、めまい、ふらつき、ろれつが回らない、飲み込みにくい、手足のしびれや麻痺などを伴うことがあります。
同名半盲とは、両目の同じ側の視野が見えなくなる状態です。 例えば、両目の左半分が見えなくなる、あるいは両目の右半分が見えなくなるといった症状が現れます。 本人は見えていないことに気付きにくく、人や物にぶつかったり、食事の片側だけを残したりすることで周囲が異変に気付くこともあります。

脳梗塞で目の症状が現れるのは、目そのものではなく、目へ向かう血管や視覚を処理する脳の部分に血流障害が起こるためです。 私たちは目で見た情報を脳で処理して初めて「見えている」と認識しています。そのため、脳の視覚経路に障害が起こると、目自体に異常がなくても見え方に異常が生じます。
一過性黒内障は、網膜へ血液を送る血管の血流が一時的に悪くなることで起こります。 特に首の動脈(頸動脈)の動脈硬化が進んでいる場合、小さな血栓が流れてきて一時的に血流を妨げることがあります。 その結果、片目が突然見えなくなり、血流が回復すると再び見えるようになります。
両目が同じ方向を向いているのは、脳から目の筋肉へ正確な指令が送られているためです。 脳梗塞によってその指令が乱れると、左右の目の向きがずれてしまい、物が二重に見える複視が起こります。
後頭葉は視覚情報を処理する脳の部位です。 この部分に脳梗塞が起こると、視野の半分が見えなくなる同名半盲が生じることがあります。

脳梗塞や一過性脳虚血発作(TIA)のサインとして、より注意が必要なのは「片目が急に真っ暗になる」症状です。 「全体がかすむ」という症状は、ドライアイ、眼精疲労、白内障、老眼などでもよくみられます。 一方、「片目が急に真っ暗になる」という症状は、一過性黒内障と呼ばれ、目や脳へ向かう血流が一時的に悪くなっている可能性があります。数分でなおった場合でも、脳梗塞の前触れであることがあるため、早急な受診が必要です。 ただし、「全体がかすむ」場合でも、以下のような症状を伴う場合は脳梗塞の可能性があります。
急に発症した
物が二重に見える
視野の半分が欠ける
ろれつが回らない
手足が動かしにくい
強いめまいやふらつきがある

脳梗塞は時間との勝負です。 発症後できるだけ早く治療を開始することで、後遺症を減らせる可能性があります。 突然の視力低下や視野障害、複視などが現れた場合は、「そのうちなおるだろう」と様子を見ず、早めに医療機関を受診してください。
片目が急に見えなくなった、視野が欠けた、物が二重に見えるといった症状が突然現れた場合は、脳神経外科や脳神経内科の受診を検討してください。 顔のゆがみ、ろれつが回らない、手足の麻痺などを伴う場合は救急要請が必要です。
視野障害や複視がある状態での運転は大変危険です。 症状がある場合は自分で運転せず、家族の車や救急車を利用して受診してください。
症状が数分で治った場合でも安心はできません。 一過性脳虚血発作(TIA)の可能性があり、その後に本格的な脳梗塞を発症することがあります。症状が消えた場合でも、できるだけ早く脳卒中を診療できる医療機関を受診しましょう。

脳梗塞の予防で最も重要なのは、動脈硬化を進める危険因子を管理することです。 高血圧、糖尿病、脂質異常症、喫煙、肥満、心房細動などは脳梗塞の大きな危険因子です。
禁煙、適度な運動、塩分を控えた食事、十分な睡眠、過度の飲酒を避けることなどが基本です。
高血圧、糖尿病、脂質異常症がある場合は、医師の指示に従って治療を継続しましょう。 また、頸動脈の動脈硬化が疑われる場合には、頸動脈エコーなどの検査が行われることがあります。
心房細動が見つかった場合には、脳梗塞予防のために抗凝固薬が必要になることがあります。 自己判断で中断せず、医師の指示に従って服用しましょう。

ここまで脳梗塞と目について紹介しました。ここでは「脳梗塞と目」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。
村上 友太(むらかみ ゆうた)医師
脳梗塞の場所によっては、視野の一部が見えにくくなる半盲、物が二重に見える複視、目の動かしにくさ、まぶたが下がる眼瞼下垂などが後遺症として残ることがあります。後頭葉の脳梗塞では、視力そのものよりも「視野が欠ける」症状が目立つことがあります。網膜の血管が詰まる病気を合併した場合は、片目の視力低下が残ることもあります。 リハビリや生活環境の工夫で改善・適応できる場合もあるため、脳卒中診療科や眼科、リハビリ専門職と連携することが大切です。
村上 友太(むらかみ ゆうた)医師
多くの脳梗塞では、目を開けること自体は可能です。ただし、脳梗塞の場所や重症度によっては、意識障害が起こって目を開けにくくなることがあります。また、脳幹や目を動かす神経が障害されると、まぶたが下がる、目が動かない、視線がずれる、物が二重に見えるといった症状が出ることがあります。「目は開いているのに見えていない」「片側に気づかない」という症状もあります。 目が開くかどうかだけで重症度を判断せず、突然の見え方の変化や神経症状があれば救急受診が必要です。
脳梗塞では、手足の麻痺や言葉の障害だけでなく、目の症状が初期サインとして現れることがあります。特に注意したいのは、「片目が急に真っ暗になる」「視野の半分が見えない」「物が二重に見える」といった症状です。 「全体がかすむ」という症状は、疲れ目や白内障、ドライアイなどでも起こります。一方で、「片目が真っ暗になる」症状は、一過性黒内障や網膜・頸動脈の血流障害を疑う重要なサインです。数分で治っても、脳梗塞の前触れである可能性があります。 脳梗塞は時間との勝負です。急激な目の症状に、顔のゆがみ、片側の手足の麻痺、ろれつが回らない、強いふらつきなどが加わる場合は、迷わず救急車を呼びましょう。症状が治った場合でも、自己判断で放置せず、早めに脳卒中を診療できる医療機関を受診することが大切です。
「脳梗塞と目」と関連する病気は7個ほどあります。 各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

網膜中心動脈閉塞症
内頚動脈狭窄症
心房細動
未破裂脳動脈瘤
椎骨脳底動脈循環不全
「脳梗塞と目」と関連している、似ている症状は7個ほどあります。 各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

片目が急に見えない
片目が真っ暗になる
視野の半分が見えない
物が二重に見える
急に目がかすむ
めまい・ふらつき
ろれつが回らない・片側の手足が動かしにくい
参考文献
脳卒中治療ガイドライン2021〔改訂2025〕|日本脳卒中学会
Let’s Talk About Stroke and Vision Changes|American Stroke Association

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