勘違いしがちな「節電」のNG集。「冷蔵庫の開閉を減らす」のはほとんど効果なし

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3月は新生活や暮らしの見直しが増える季節。電気代が落ち着く今こそ、次のピークに向けて「やりがちな節約の勘違い」を見直すチャンスです。そこで今回は、効果につながりにくい「電気代の節約術」と、正しい方法について、家電王こと東京電力エナジーパートナーお客さま営業部の中村剛さんに伺いました。
設定温度や風量設定を頻繁に変更するのは、やはり効率的ではありません。
「エアコンはセンサーで室温などを検知し、人間の感覚よりも細かく運転を調整できるので、基本的には自動運転するのがもっともいい使い方です」(中村さん、以下同)
ただし、「ちょっと暑いな」と感じたときに風量を強くするといった一時的な調整は効果的だそう。
さらに、「除湿をつけた方が電気代は抑えられる」というのも、誤解になりやすい節約術のひとつ。
「機種や方式によって消費電力量は変わります。ドライ(除湿)の中には、空気を冷やして除湿したあと、再び室温に戻すために温める『再熱除湿』もあり、その場合はエネルギーが余計にかかることも。メーカーによって弱冷房を『除湿』と呼ぶ場合もありますが、一般的には迷ったら冷房(自動)を選ぶのが無難です」
ベランダや庭をキレイに見せるために、エアコン室外機の周りを囲ってしまうのもNG。
「エアコンは屋外の熱を効率よく取り込んだり放出したりする『ヒートポンプ』方式です。室外機の周囲を遮蔽(しゃへい)すると風とおしが悪くなり、ショートサーキット(排熱が再び吸い込まれる現象)が起きて効率が大幅に低下してしまいます」
有名な節約術に「冷気を逃さないために、庫内にカーテンを設置する」というものがありますが、中村さんによるとこれはあまりおすすめできないそう。
「カーテンが庫内のセンサーを邪魔したり、雑菌が繁殖する可能性が高いです。おいしく食材を保管するためにも、余計なものは設置しない方がいいですね」
「冷蔵庫のドアを頻繁にあけ閉めすると電気代が高くなる」という話も、誤解があるといいます。
「たとえば、1日あたり累積10分間ドアをあけたとします。10分間は24時間の中で言えば、じつは0.7%にも満たないのです。就寝時や外出しているときなど、閉まっている時間の断熱性能が電気代の大部分を占めるので、あけ閉め“だけ”でトータルの電気代が大きく変わるとは限りません」
電気代はおおよそ『消費電力×時間』で計算されます。たとえば年間200kWhで電気料金単価を31円/kWh(※)とした場合、年間の電気代は約6200円。月の電気代はわずか500円程度。
※ 31円/kWh(税込み)「全国家庭電気製品公正取引協議会(目安単価)」
「たしかに常温のものを入れた際や、ドアをあけた瞬間の消費電力は上がります。しかし、閉まっている時間が圧倒的に長いため、瞬間的な消費が電気代に与える影響は限定的になりやすいです。今の冷蔵庫は断熱が非常に優れているので、開閉時間を減らすことよりも『フードロス対策』として、庫内をちゃんと整理して、食材をムダにしない方がはるかに節約につながります」
また中村さんによると、食材を効率的に冷やすためにも、つめ込みすぎずにすき間を設けた方がよいのだとか。
「冷蔵庫がパンパンだと冷気が循環せず、食材が冷えにくくなったり、一部が凍ったりすることがあります。一方で、冷凍庫に関しては食材自体が蓄冷材の役割も果たすため、ぎっしりつまっている方がお互いを冷やし合って効率がよくなります」
また、冷蔵庫以外の家電で「コンセントはこまめに抜いた方がいい」と思っている方も多いかもしれません。じつはこちらも効果は薄いのだとか。
「機器によっては待機電力がゼロや小さくなっているものも多く、手間を考えるとあまり効率的ではありません。おすすめはスイッチ式の電源タップ。スイッチで簡単に通電・遮断ができるのでこちらに変えるのも手です」
テレビの主電源も同様で、長期間使用しない場合をのぞき「日常的に使っているのであればリモコンの電源OFFで十分」と中村さん。
家庭の電気代で大きな割合を占めるのが「暖房」と「給湯」。
とくに給湯に関してよく聞かれるのが、お風呂の「追いだき」と「たし湯」、どちらが電気代を抑えられるのかという疑問です。
「コスト面では追いだきのほうが安くなるケースが多いです。たとえば標準的な200Lの浴槽で、30度まで下がったお湯を40度に戻す場合、追いだきにかかる電気代は約24.8円。一方で、半分のお湯を抜いて50度のお湯をたすと、電気代は約40.3円。さらに水道料金もかかるため、コストは高くなります」
ただし、ひと晩放置してお湯が水道水と同じ温度まで下がった場合は、追いだきと張り替えで電気代に大きな差はないそうです。
「給湯器の仕組み上、翌日の追いだきは効率が下がりやすい面もあるので、張り替えがおすすめです」
電気代が落ち着く今こそ、暮らしの「勘違い節約」を見直すタイミング。今日からできる対策を取り入れて、夏の電気代ピークを“無理なく”乗りきる準備を始めてみてはいかがでしょうか。

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