南極の氷が溶け続けると東京23区が海に沈む?地球温暖化が及ぼす日本列島への影響

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「地球温暖化により、南極の氷が溶け続けている」
この事実を聞いても、自分たちの生活に変化はないため、実感が湧かないのも無理はない。ただこういった状況が続くと、氷が溶けたことで海水が上昇し、近い将来日本列島にも影響が出始めると言われている。
地球温暖化を放置し、南極の氷が溶けることで、日本はどのように変化してしまうのか。国立極地研究所広報室の熊谷宏靖氏に話を伺った。
◆1年間に日本人が使う生活水の7年分が溶け続けている
まず初めに、1年間で南極大陸の氷はどのくらい溶けているのか伺った。
「年間に直すと、おおよそ約100ギガトンです。聞いたことない単位かもしれませんが、日本人が使う1年間の生活水が、全国民合わせて13ギガトン。だから日本人が使う水の7年分の氷が失われている計算になります」
◆日野市や府中市あたりが「波打ち際」になる可能性も
それだけの量の氷が溶けると海水面は上昇し、ほんの少しずつではあるが、陸の面積が減り続けていると語る熊谷氏。では極端な話、南極の氷がすべて溶けてしまった場合、日本列島はどのように変化するのだろうか。
「南極の氷がすべて溶けた場合は、約60mの海水面の上昇につながると言われております。関東平野の広い範囲が水没し、人間は住めなくなってしまうでしょう。わかりやすく言うと、東京湾の西側では日野市や府中市あたり(東京湾から約35キロ)がちょうど波打ち際になりそうです。
もちろん世界規模で見ても同じことが言え、大都市の多くは低地にありますから、大規模な影響が生じます。ちなみにアメリカの東海岸などは海面下となってしまいます」
◆地球温暖化を食い止めるためにできること
アメリカの東海岸や東京都23区が“海の底”となってしまうなんて映画のような話だが、考えられない話ではないという。では、現代を生きる我々が「地球温暖化を食い止めるためにできること」はあるのだろうか。熊谷氏は「まずは南極観測の話ではなく、地球温暖化の一般論として話します」と前置きしつつ、解説した。
「IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の最新の報告書(AR6)によると『人間の影響が、現在の温暖化の要因となっていることは疑う余地がなく、その要因には人間活動によるGHG(温室効果気体)の排出があげられる』とされています。となると、当然その排出削減が重要になるでしょう。その文脈で、COP(国連気候変動枠組条約締約国会議)のパリ協定などの国際枠組みが大きな意味を持つと思います。
◆南極の氷の減少は人間のせいなのか
「一方で、南極氷床の融解についても『グリーンランド氷床の表面が融解しているという点については、人間の影響の可能性が非常に高いが、南極氷床の質量減少に対する人間の影響については、まだよくわからない』といった内容のことが書かれていました。
南極観測に携わる者としては、まずは、よくわからないものを正確に理解するところが重要と考えておりまして、そのため今後とも南極での観測を継続的に行っていく必要があると考えております」
現在、フジテレビ取材班が南極観測隊に同行し、本格的な南極調査を行っている。現時点では実生活に影響がなくとも、将来的にダメージを受ける可能性が高い日本列島を少しでも守るためにも、南極大陸からの発信には注目したいところだ。

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