自分を捨てた親を介護する45歳芸人の壮絶な生活。「“まともだった頃の父”ともっと話がしたかった」

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ドキュメンタリー番組『ザ・ノンフィクション』で、ある芸人が認知症の父との壮絶な関係をさらけ出した。その男とはゲーム芸人のフジタさん(45歳)。幼少期の体験と現在の生活が「つらすぎる」と話題になった。
面倒を見てくれた親を今度は自分が面倒を見る。“当たり前の恩返し”のように思えるけれど、それはある日、突然やって来るのだ。親が認知症になったら何が待ち受けているのか。変わりゆく姿から目を背けずにいられるのか。認知症の親と暮らすフジタさんの壮絶な「介護の現場」を追う。
◆自分を捨てた親を介護する理由
「小学校に上がる直前に母が死んだあと、父は僕の同級生の親でシングルマザーのAさんの家に入り浸るようになった。週末に帰ってきて3万円を置いたらまたあっちの家に戻る。小1から一人暮らしで、父はもはや“同級生のお父さん”でした」(フジタさん)
同級生を可愛がる父から理不尽にも手を上げられる。それでも、もらったお金でゲームを買い込んで孤独を紛らわせた。そして現在、80歳を超える父とAさんの関係は40年たっても続いているのだ。
◆「お金なんて、もうなかったんですよ」
「去年、5年ぶりに父と会って、遺産相続の話を持ちかけられたんです。でもそれからが地獄だった。今年に入って父がアルツハイマー型の認知症を発症して、100万円を超える借金も発覚した。
しかもずっとAさんに、毎月一度か二度、3万円を渡し続けている。数千万円あったはずの貯蓄も、いつのまにか消えていました。お金なんて、もうなかったんですよ」
フジタさんは怒りのぶつけ先もなく、うなだれるしかなかった。
◆お金に執着する父と愛人。引き離したら父は死ぬ
「父は、年金を管理する僕を泥棒呼ばわりし、Aさんには『息子は働かず自分のお金をあてにしている』とを吹き込んでいたんです」
その様子は、一人暮らしの父を心配して設置した見守りカメラにはっきりと録画されていた。
「最悪ですよ。こっちは仕事を休んで、週に3日も父の家の家事をしたり様子を見に行っていたりしたのに。内縁関係といっても父とAさんとは別々に暮らしていて、彼女は月に数回掃除に来る程度です。あとは、作り置きの冷凍食品を渡して終わり。飯を食ってお金をもらうパパ活みたいなものですよ。
もし愛情があれば、父に小便の臭いのするゴミ屋敷で飯を食わせるようなことはしないはずです」
◆“まともだった頃の父”ともっと話がしたかった
父を介護施設へ入所させることは考えていないのだろうか。
「本人が嫌がるし、Aさんも自分のもらうお金が途切れるのが嫌だから、二人そろって抵抗してくる。きっと僕がもらえるはずだった愛情もお金も全部、内縁の妻やその家族に流れたんでしょうね」
それでも、父を見捨てない理由とはいったい……?
「遺産の話をされたときに、『これまで悪かった、すまなかった』って謝られたんです。たったひと言なんだけど、なんか許せた。でも欲を言えば“まともだった頃の父”ともっと話がしたかった。今は認知症のせいでろくに会話ができない。
僕が無理にAさんと父の関係を断つこともできるけど、それをしたら父はきっと死ぬ。それくらい父の中でAさんは絶対的な存在。本当にバカでどうしようもない親です。この先どうなるのか……考えないようにしています」
【ゲーム芸人・フジタさん】4万本を超えるゲームを収集し、特にレトロゲームに造詣が深い。YouTube「Channel fujita」を積極的に更新。著書に『ファミコンに育てられた男』
取材・文/週刊SPA!編集部

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