母子家庭が過去30年で約1.5倍に増えたと言われる現代。しかし、シングルマザーの恋愛や再婚には、今なお高いハードルが立ちはだかります。「夫は私よりも、娘と年齢が近いんです」。そう語るメグミさん(49)も、ひと回り以上年下の男性との再婚に揺れたひとりです。義母からの反対、「多感な娘は受け入れてくれるのか?」という葛藤。いくつもの障壁を乗り越え、彼女がいかにして周囲の心配を「凌駕する幸せ」を掴み取ったのか。あるステップファミリーの、嘘偽りない現在地に迫ります。
【写真】41歳のシンママが「ひと目惚れ」17歳年下の夫との家族写真(全14枚)
── 都内でアパレルショップを運営しているメグミさん。メグミさんは過去に離婚経験があり、シングルマザーとして娘とふたりで生活していましたが、後に17歳年下の夫・ハズムさんと出会い、再婚されました。まず、1回目の結婚について伺わせてください。
メグミさん:20代のころ、イベント企画会社で働いていたときに前夫と出会い、30歳のときに結婚しました。出産を機に仕事を辞めて専業主婦になりましたが、結婚から2年後には性格の不一致で離婚しました。娘は1歳でした。
── 離婚後、どのような生活をされていたのでしょうか?
メグミさん:お金がなくて、 ひとり暮らしの妹の家に転がり込んだのち、家賃5、6万円のボロアパートを見つけて引っ越しをしました。ふたりで暮らすにはかなり狭かったです。
離婚を機に数年ぶりに働いたのは、以前から興味があったアパレル業界でした。時給960円のアルバイトからのスタートですが、1年後には店長に抜擢され、5年後には中目黒の店を譲り受けてオーナーに。仕事は充実していきましたが、金銭的な余裕は全然なかったですね。
── その後、どうやってハズムさんと出会ったのでしょうか。
メグミさん:私が41歳のときに、アパレル業界の方から交流会に誘われて行ってみると、知人が紹介してくれた1人がハズムさんでした。アパレル業界なので見た目が派手な人が多いなか、ハズムさんはいい意味で地味で、素朴な感じが好印象。めっちゃタイプ!そう、私のひと目惚れでした。
ハズムさんと取り止めのない話をしながら、どさくさに紛れて彼女の有無を聞くと「いない」と言われて「よし!」と。帰宅後にハズムさんが17歳年下だということがわかりましたが、年齢差はまったく気にならなかったです。 InstagramのDMで私のお店に遊びに来ませんか?と誘うと来てくれたり、自然に2人で会うようになりました。ただ、私が連絡をすれば返信が来ますが、彼から連絡がくることはなかったです。
── その後はどうやって交際に発展したのでしょうか?
メグミさん:出会いから2か月経つころ、ハズムさんが何かに迷っているような気がしたので、思いきって「私のことをどう思ってるか」聞いたところ、「次につき合う人とは結婚したい」と言われました。私がハズムさんに重いと思われたくなかったので、ハズムさんと出会って早々に「子どももいるし、結婚を強く考えていない」と言った言葉が、かえって彼の心にブレーキを掛けていたようです。
その後、改めて自分の気持ちを正直に伝えてアプローチを続けると、「この人だったら大変なことも一緒に乗り越えていけそう」と思ってくれたらしく、再度のアプローチから2週間後、出会ってから3か月後に交際を申し込まれました。
── 当時11歳だった娘さんには、どのタイミングでハズムさんとの交際を伝えたのでしょうか?
メグミさん:娘とはもともと恋愛の話もよくしていて、ハズムさんのことも出会った日から告白されたことまで、すぐに話をしていました。ただ、はじめからハズムさんの受け入れがよかったかというと、そうではなかったです。私はもともと仕事が忙しかったですし、ハズムさんと会うようになると、どうしても娘がひとりで留守番をする時間が増えてしまい。ひとりっ子ですし、配慮はしたものの、寂しい思いをさせてしまったと思います。
── シングルマザーの恋愛の難しいところですね。
メグミさん:だから、ハズムさんと交際を始める前から、彼の家に娘を連れて行きました。娘はまったく気乗りしないまま家を出ましたが、彼の家につき、奥から出てきた彼を見た瞬間「娘の(リリ)です。はじめまして」と挨拶をしたと思ったら、すぐに私を脇に呼び出して、「すごいカッコイイ!絶対に気に入られたい!」と小声で言ってきて。会う前と会った後のテンションの違いに驚きましたが、その日は3人でビデオゲームをして盛り上がり、ハズムさんの部屋に泊まりました。
── 当時ハズムさんは24歳、娘さんは11歳でふたりの年齢差は13歳です。ハズムさんは娘さんについてどう思っていたのでしょうか。
メグミさん:娘と会う前は2人の年齢差が気になったようです。だから、嫌われたらどうしよう、相性がよくなかったらどうしようと心配していました。でも、いざ対面してみると娘の態度が好意的だったことで少し安心した様子。年齢差もあるけど、やっていけそうだと自信を持てたようです。
ハズムさんと娘が初対面を果たした後は、3人で会う時間が増えて、交際から3か月後にプロポーズをされると、娘は大喜びでしたね。そのころにはかなり心を許していて、結婚する前から「いつパパになってくれるの?」と彼に催促するくらいでした。
── かなりハズムさんを気に入っていたと。2人の結婚に対してそれぞれご家族の反応はいかがでしたか?
メグミさん:私の父はすでに他界していましたが、母にハズムさんを紹介すると「好青年だ」と気に入ってくれました。ホッとしました。いっぽう、ハズムさんのお母さまは夜も眠れないぐらい心配して、大反対していると彼から聞いていました。親の立場だったらわからないではないですし、でもハズムさんと家族になりたいし。
プロポーズをされる前から同棲の話も出ていましたが、同棲するなら籍を入れようとなって、結果的に彼のお母さんには反対されたまま籍を入れました。
── 入籍後、どうやってハズムさんのお母さんは結婚を知ることになったのでしょうか?
メグミさん:私も彼もファンション関連の仕事でときどきメディアに出演する機会がありました。あるとき、私がバラエティ番組で入籍したと話しているのを、ハズムさんのお母さまが偶然観ていたんです。驚いたと思います。その後、お母さんからハズムさんに連絡がきて、半分諦めた様子ではあったものの、「私たちの孫になったリリちゃんに会わせて」と言われて、ハズムさんのご両親にごあいさつに行くことになりました。
初めてハズムさんのご両親と対面したときは空気が重かったのです。どこからどう話をしたらいいのか。水を飲むのも緊張しそうでしたが、娘がとてもいい感じで場を盛り上げてくれたんです。彼のお父さんはスキンヘッドですが、レストランの照明で頭が光っているのが娘はきれいだと思ったらしく、「頭がキラキラしてる!」と言ったんです。そこでみんなの緊張の糸がきれたのか、場がいっきになごみました。その後は、お母さんとも徐々に打ち解けていきました。
── ハズムさんとの結婚までを振り返って、改めて思うことをお聞かせください。
メグミさん:シングルマザーとして娘と2人で暮らしていましたが、ハズムさんと出会ってから生活に彩りができました。私とハズムさんは年齢差17歳、ハズムさんと娘の年齢差は13歳で私より歳が近いです。でもハズムさんと出会って、家族になって、日々穏やかに過ごせることはとてもよかったと思います。当初は義理のお母さんにも心配されましたが、結婚9年目の今も、その心配を凌駕するくらい幸せに生きています。
取材・文:小山内麗香 写真:関根メグミ