【Tajimax】成人の日に「mixi」へのアクセスが急増する「納得の理由」…「黒歴史」揶揄にmixi担当社員が思うこと

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「招待制SNS」として誕生し、日記やマイミク、コミュニティ文化を通じて、2000年代の日本のインターネットに確かな居場所を築いてきたmixi(ミクシィ)。平成という時代において、「mixi」は単なる流行ではなく、人と人との距離感やつながり方そのものを形づくった存在だった。
スマートフォンの普及やSNSの多様化によって、オンラインコミュニケーションは大きな転換点を迎えたなかで、「mixi」はどのように変わり、何を大切にしてきたのか。
今回は、株式会社MIXI mixi事業部部長・渡部喜正さんに、平成時代の「mixi」が果たしてきた役割を振り返りながら、令和におけるユーザー層やコミュニティの変化、現在のサービス運営について伺った。あわせて、別チームが運営する「mixi2」については、外側から見た率直な印象も語られた。
記事前編は【平成に「mixi」が爆発的に広がったワケ、SNS黎明期にカギとなった「安心感」への配慮】から。
平成において、「mixi」の多種多様なコミュニティは自己表現の一つにもなっていた。
「コミュニティを作成する際には、地域系やアニメ系など、あらかじめ用意されたカテゴリーの中からジャンルを選ぶ仕組みになっていました。基本的には、どれかのカテゴリーに属する形でスタートする、というイメージですね。
ただ実際には、本当にさまざまなコミュニティが生まれていました。一発芸のようなネタ系のものや、サムネに動く画像を貼ることだけを目的にしたコミュニティなど、遊び心にあふれたものも多かった印象です。
特に当初のmixiでは、参加しているコミュニティがプロフィール上に最大9つまでサムネが表示されていました。そこをビンゴのようにきれいに並べたり、パズル感覚で配置したりするためだけのコミュニティまで存在していて、どのコミュニティを並べるかが一種のステータス、あるいは自己表現の手段になっていたんです」
そうした背景もあり、ユーザー自らがコミュニティを立ち上げたり、興味のあるテーマに参加したりする動きは、当時とても活発だった。
また、「mixi」といえば、日記機能を通じて日常を発信していたユーザーの存在が印象的だ。
「日記機能は、今でもmixiの中でよく使われている機能のひとつだと思います。
使い方も人それぞれで、ポエムのような文章を書いている方もいれば、出来事の記録として淡々と残している方、あるいはメモ代わりに使っている方もいました。
ただ、それらの投稿は、時間が経って振り返ってみると、その人にとってとても大切な思い出になっていることが多いと感じています。
例えば、成人の日にはアクセス数が大きく伸びる傾向があるんです。成人式の頃に書いた日記や当時の写真を見返したくて、久しぶりにログインする方が多い。そうした行動自体が、『懐かしさ』に触れに来ている証拠だと思います。
日記に限らず、投稿というものは、その瞬間は『黒歴史』と呼ばれてしまうような、少し恥ずかしい存在になることもあります。でも、それを超えて時間が経つと、かけがえのない宝物になる。私はそう思っていますし、サービスとしても、そうした記録を大切にしていきたいと考えています」
その一環として、現在の「mixi」では「過去のいまごろの日記」をピックアップして表示する機能が追加されている。たとえば今日が1月1日であれば、過去の1月1日に書いた日記が一覧の上部に表示され、「こんなことを書いていました」と振り返ることができる仕組みだ。
過去の自分と自然に再会できるような、思い出を振り返るきっかけをつくるサービスとして、「mixi」は今も日記文化を大切に育て続けている。
現在でも、かつてのユーザーから親しまれている「mixi」。2024年の12月には、『mixi2』のサービスが開始された。『mixi2』は、従来の「mixi」とは別のサービスとして誕生したこの取り組みは、「今を共有でき、すぐ集える」をコンセプトに掲げ、完全招待制でスタートした。短文テキストを中心に、文字を装飾できるエフェクト機能を備えている点が特徴で、感情や空気感を直感的に共有できる設計となっている。
「mixi2も、mixiを開発した笠原が立ち上げたサービスです。mixiが生まれた当時と比べると、いまはリアルタイム性のあるコミュニケーションへのニーズが高まっている。そうした時代背景の中で、『今を共有できる場』としてmixi2が構想されました」
「mixi2」のサービスにもコミュニティ機能があり、趣味や関心を軸につながれる設計になっているは「mixi」と共通している。人とのつながりを、関係性や共通項を通じて育てていくという思想は、「mixi」から一貫して受け継がれてきたものだ。
「機能面でも共通点は多くあります。たとえばmixiの日記はカレンダーから過去の日付を選び、『去年の1月1日に何を書いていたか』をすぐに振り返ることができますが、mixi2でも同様に、カレンダーベースで過去の投稿を簡単にたどれる仕組みを取り入れています。たとえば『去年の1月1日にはどんな投稿をしていたか』といったことを、直感的に見返すことができる。これは、XなどのSNSにはあまり見られない特徴だと思います。
また、雰囲気づくりという点でも、ポジティブな体験を重視していますね。リアクション機能は基本的に肯定的なものに限定されており、ユーザー同士がギスギスしにくい空気を保てるよう配慮されています。
そうした設計思想は、形を変えながらも、mixiと同様に大切に受け継がれている部分だと感じています」
かつての日記やコミュニティが、今もなお誰かの人生の断片として残り続けているように、「mixi」は「記録としてのSNS」という独自の立ち位置を築いてきた。そして「mixi2」は、その記憶の延長線上で、「今」を共有する心地よい居場所を提示している。
過去を大切にしながら、現在に寄り添い、未来へとつなげていく。SNSが「いかに広く届くか」から「どのような関係を築くか」へと再び問い直される今、「mixi」の“心地良さ”は、プラットフォームが長く使われ続けるための一つの指針を示していると言えるだろう。
画像はすべて同社提供

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