“育休もらい逃げ”はズルい?「迷惑以外の何物でもない」「こういう人間のせいで制度が改悪されたら…」と批判殺到 犬山紙子氏「もらい逃げという言葉で育休が取りづらくなるのは絶対に避けるべき」

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

投稿サイト「発言小町」に寄せられた「育休中に転職を思い立ち、スキルを勉強し、現在転職活動中です」という投稿が物議を醸している。
【映像】物議を醸した実際の投稿(全文)
育休期間を終えた後、職場に復帰せず会社を辞めるつもりだという投稿主に対し、批判が殺到。育休明けの退職はマナー違反なのか。ニュース番組『わたしとニュース』でイラストエッセイストの犬山紙子氏とともに考えた。
投稿主に対し、サイト上では「さっさと辞めた方が迷惑かからないと思います」「子どもの言葉で言えばずるい!ですね」「会社や同僚にとっては迷惑以外の何物でもない」「こういう人間のせいで制度が改悪されたらたまったもんじゃない」といった批判の声が殺到。SNSでは「育休もらい逃げ」という言葉が飛び交うなど波紋が広がっている。
街の人からも「されたらちょっと悲しいは悲しい」「(育休)もらい逃げは人としてどうかなと思う」「仕事の関係で代わりにやっている人がいるので、そういう観点では誠実さはないと思う」など、職場でフォローする立場の人からは否定的な声が多く聞かれた。
こうした状況を受けて、退職代行サービス「退職サポート」は、公式Xで「育休後に職場復帰しないで退職するケースでの退職代行のお引受けは原則しておりません」と明かした。
退職サポートを運営する合同労働組合「私のユニオン」の藤井直樹書記長は、その理由を次のように語る。
「育休は『職場に復帰する』という第一前提があると考えている。『育休を最後まで使い切ってから辞めたい』とか、有休と同じような感じだと。法律上の前提条件を超えることに、力を貸すことになるのでそこはできない。
育休は素晴らしい制度で、いろいろな方が支えるという制度としてはすごくいいと思っている。本人や私たちのモラルの問題はちゃんと問われると思っている。『もらい逃げ』という言葉で育休自体が取りづらくなるとか、変な目で見られてしまうというのは絶対に避けるべきだと思う」
この問題に対し、エッセイストの犬山紙子氏は「難しいなと思いつつ、街の方の声は納得する。現場からしたら、戻ってくると思って頑張ってきたという人たちがいて、(もらい逃げを)否定的に思うのは、そうだなと思う。ただ、いかなる時にどんな事情が降りかかるかわからない側面もある」との見方を示した。
さらに、犬山氏が懸念するのは今後育休を取得しようとする人々への影響だ。「これから育休を取る人が、『どうせこの人戻ってこないんでしょ』という目で見られることで、言い出しにくい、取りにくいとなってしまう。また、これが問題になって、育休の払い戻しのような制度になってしまったらすごく使いづらい制度になってしまう。せっかく育休制度が男性にも普及してきている状況でこういうことが出てしまうと…」と影響を危惧した。
一方で、投稿主を擁護する意見もあった。「育休中のトピ主に対して会社が負担するお金はゼロです。転職後、育休手当の財源である雇用保険は払うんだから、制度の悪用でもなんでもない」「環境の悪いギスギスした職場が多いのかもしれません」「転職するな、迷惑という人たちは1つの会社に固執しすぎだと感じます」(発言小町より)
犬山氏は「この意見もすごく大事だと思う。そもそも“辞める権利”というのはみんなにあって、辞めてはいけないということでは絶対にないと思う」と語った。
さらに、個人のモラルだけでなく組織側の体制についても言及し「いつ誰が辞めるかもしれないから、本当は会社側がそこをフォローできると良い。ただ、それを中小企業に求めるのかという点もある」と、解決の難しさをにじませた。
(『わたしとニュース』より)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

SNSでもご購読できます。