路上にごみを捨てる「ポイ捨て」について。東京・渋谷区がポイ捨てに関する条例の改正案を、10日、可決しました。捨てた人だけではなく、ごみ箱を設置する側にも罰則を科します。果たして、効果はあるのでしょうか?
【写真で見る】由布市では“ポイ捨て条例”スタート 効果は?
山形純菜キャスター:10日に可決された渋谷区の条例を見ていきます。
▼ポイ捨てに罰則ポイ捨てをした通行者に2千円の過料▼ごみ箱設置の義務化未設置の場合最大5万円の過料(渋谷駅・原宿駅・恵比寿駅周辺のテイクアウトなどを伴う店)※2026年4月施行 過料は6月から
飲食店のごみ箱について、現状をみていきます。
区議会の答弁によると、販売元が判明した店舗業態は、コンビニが62.7%、カフェが12.0%でした。しかし、コンビニの大半にはごみ箱が設置されています。渋谷区の調査によると、飲食店のごみ箱の設置率(自販機は除く)は、約68%でした。
渋谷のタピオカ店「幸福堂」は、他店のごみなどが捨てられる可能性があるので設置しておらず、設置したら、分別して捨ててくれるか不安があるということです。タピオカ店のごみ以外のものも入ってくる可能性がありますし、処理にはお金もかかってきます。では、今回の状態で区はごみ箱を設置するのかどうかですが…渋谷区長は(区議会の答弁より)「販売から生じたごみは責任をもって処理すべき」区が管理するごみ箱を新たに設置する考えはないということです。ですから「お店ごとにごみ箱を設置するように」ということです。街でごみ箱は減っていますから、このごみ問題は難しいところではあります。井上貴博キャスター:個人的には渋谷区のごみ箱設置の義務化には少し疑問があります。日本では、テロ対策もありますが、公共のごみ箱を少なくしましょう、少なくなりました、ごみが増えました、じゃあどうしましょうか、となったときに、まずは率先して行政や自治体側が設備投資をして、ごみ箱を設置すべきではないかなと思います。その部分の負担を民間だけに強いるというか、ある意味で民間だけに責任を負わせるように見えなくもないので、これはどうなんだろうなと個人的には思うのですが…
会社経営者・投資家池澤摩耶さん:民間ではなくて区がごみ箱を設置するべきだし、いろんな国に行っても、こんなにごみ箱がない国はないですよね。私たちも一日中ごみを持ち歩いてるじゃないですか。なので個人的には置いて欲しいです。2千円や5万円の過料を集めに行く人たちがいるわけなので、その分の賃金も考えたら、ごみ箱を設置した方が早い気はします。
山形キャスター:渋谷区のような条例を既にスタートさせているのは、大分県の由布市です。
「ポイ捨てなどの防止に関する条例」・ポイ捨て 2千円の過料・飲食店でごみ箱未設置 5万円の過料由布市の担当者によると「路上ごみはほとんどなくなった。効果的だったのではないか」ということです。由布市では、市としてごみ箱を増設していて、重点地域の飲食店では「おたがい箱」というごみ箱を市が無償提供し、回収費は事業者がもっているということです。重点地域の公園に関しては、市がごみ箱を新たに設置しています。由布市では、市としてごみ箱を増設しているので、渋谷区とはここが変わってきますね。井上キャスター:同じようなものに見えて、市が設置した上で民間にも促していこうとするのが由布市の取り組みということですね。
会社経営者・投資家池澤摩耶さん:由布市は、みんなで綺麗に守ろうという伝統的な流れがありますが…渋谷区のお店が本当にそれを快くやりたいかどうかですよね。========<プロフィール>池澤摩耶さん会社経営者・投資家元外資系投資銀行のトレーダー2児の母