東京科学大学が2025年11月2・3日の日程で予定していた学園祭「工大祭」のうち、3日の開催を中止すると公式サイトで発表した。会場の大岡山キャンパスを爆破する旨の予告があったという。
東京科学大は東京工業大学と東京医科歯科大学の統合により、24年に設立された国立大学だ。
25年度の工大祭は、東京都目黒区の大岡山キャンパスで2日・3日の2日間にわたって行われる予定だった。
大学は2日夜、公式サイトに「爆破予告による工大祭の中止(11月3日)と大岡山キャンパスの立ち入り制限」と題した声明を発表した。
3日に大岡山キャンパスを爆破する旨の予告があったことから、2日19時の時点で「警察と緊密に連携し、事実関係の確認および安全確保に向けた対応を進めております」と説明。「本学では、キャンパスへ入構予定の皆様、学生、教職員の安全を最優先に考え、安全が確認できるまでの間、大岡山キャンパスへの立ち入りを制限することにいたしました」とした。
そのうえで、「誠に遺憾ではありますが、11月3日(月・祝)に予定していた工大祭の開催を中止することに決定いたしました」と発表し、「楽しみにしてくださっていた皆様には深くお詫び申し上げます」と謝罪した。
工大祭の公式ウェブサイトや公式X、インスタグラム等でも中止のアナウンスが行われている。
3日には、学生によるバンド演奏や教授によるメタルバンドライブ、5人組ロックバンド「ネクライトーキー」のライブパフォーマンスなど、多彩な企画が予定されていた。
何者かによる爆破予告を理由とする学祭の中止に、SNSでは「このタイミングはひどすぎる。爆破予告がいつあってもいいわけじゃない。しかし、工大祭を楽しみにがんばってきた大勢の方々がいるのに。これはひどい」「このタイミングでの爆破予告は本当に意味わからん。学生たちの青春を壊すな。本当に何が目的なん?」など、怒りと同情の声が相次いだ。
出展予定だった学生や、教授らからの怒りの声もある。
リベラルアーツ研究教育院教授の柳瀬博一氏は、「卑劣な爆破予告で、残念ながら明日の東京科学大学の工大祭は中止です。学生の皆さん、教職員の皆さん、本当にご愁傷様です そしてお疲れ様です 犯人が捕まることを祈ります」とした。
情報理工学院情報工学系准教授の大上雅史氏は「絶対に許さない」と怒りをあらわにした。
工学院経営工学系准教授の井上祐樹氏は、「あまりにも酷い。早急に犯人が検挙されることを望みます」とつづった。
トークショーを開催する予定だった声優の伊達さゆりさんは、自身のXを通じてイベントについて「みなさまの安全を最優先に考慮し、中止となりました」と報告。
「楽しみにしてくださっていたみなさん、突然のお知らせとなってしまい申し訳ございません」とし、「学生のみなさんもイベントの準備・運営をしてくださり、感謝申し上げます! またいつか学園祭に出演させていただけますように私も頑張ります!」とつづった。