満員電車に鳴り響く大音量スマホに地獄の苦しみ 誰も声を上げられない「沈黙の車内」

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公共の場でのマナー意識が問われている。混雑した電車内も例外ではない。電車内での通話や動画再生、リュックの扱い――。
誰もが少しずつ我慢を重ねる中で、他人への配慮が薄れる光景が増えているようだ。特に、朝の通勤電車という限られた空間では、そのわずかな「乱れ」が空気全体を変えてしまうこともある。
東京都内で会社員として働く佐藤琴美さん(仮名・20代)は、ある朝、山手線で忘れられない光景を目撃した。
その男性は乗車した途端、スマートフォンで動画を大音量で再生し始めた。イヤホンを使用せず、ニュース番組の音声を堂々と流し続けたという。
ところが――。数分後、隣にいた女性が勇気を出して声をかけた。
すると、男性は眉をひそめ、信じられない言葉を吐き捨てた。
その瞬間、車内の空気は凍りついた。
男性は次の駅で下車。その際、舌打ちをしたのだとか。
マナー違反をする人が一人いるだけで、空気全体の秩序が崩れてしまう。しかし、注意することがトラブルを招く時代、誰も動けないまま時間だけが過ぎていった。
電車内という誰も動けない沈黙の空間。その重い空気が、通勤電車の現実を物語っていた。

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