国民民主・玉木代表、自民との距離感に苦悩「政策実現を中心に考えたい」…連立入り観測は火消し

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国民民主党の玉木代表が、連立枠組みの拡大に向けて接近を強める自民党との距離感に頭を悩ませている。
自民の高市総裁は国民民主を本命視しているとされる中、玉木氏は当面、政策ごとに連携する「部分連合」を優先しつつ、自民との協議を継続する考えだ。(薦田大和)
「心配いただかなくて結構だ。(閣僚)ポストに一切関心がないので、政策実現を中心に考えたい」
玉木氏は7日、都内で開かれた連合の定期大会で、支援を受ける労働組合員らを前に、こう釈明した。
高市氏と5日夜に会談したことが報じられると、連立入りに向けた交渉との見方が広まったため、玉木氏の発言はその火消しに走ったものだ。自民は連立合意を前提に、財務相などの閣僚ポストの提示を検討しているが、玉木氏は記者会見でも「関心があるのは公約の実現だ」と強調した。
国民民主を支援する連合の芳野友子会長は大会あいさつで、「なぜ連合の考え方や方針と違う動きをするのかとの意見が多数寄せられている」と現場の声を紹介した。連合は国民民主の連立入りに反対の立場で、玉木氏をけん制する意図があったとみられる。
少数与党下では、予算や法律の成立に野党の協力が不可欠だ。国民民主は過去に政府予算の成立に協力した経緯があり、自民には「エネルギー、安全保障といった基本政策が一致している」と評価する声もある。
岸田政権下では、国民民主が掲げるガソリン税を一時的に下げる「トリガー条項」の凍結解除を条件に、2022年度当初や23年度補正に賛成。石破政権下でも、ガソリン税暫定税率廃止と所得税非課税枠「年収の壁」引き上げを条件に24年度補正の成立に協力した。
25年度補正についても国民民主の公約が盛り込まれれば、玉木氏は「賛成する可能性はある」と語る。
ただ、党内には早期の連立入りには慎重意見が多い。選挙区調整が必要になるほか、予算への協力と引き換えに実現を求めてきた政策は道半ばのものが目立つためだ。国民民主幹部は「こちらが政権入りを焦る状況ではない」と指摘し、政策実現を図りながら、自民の出方を探っていく構えだ。

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