レトルトカレーを装って大麻に由来する有害成分テトラヒドロカンナビノール(THC)を含む液体約14キロをタイから密輸した友人同士の少年2人が逮捕された。日本人の少年による航空機を利用した麻薬の密輸事件は全国初となるという。
福岡県警は16日までに、麻薬取締法違反(営利目的輸入)の疑いで、いずれも大阪府岸和田市の無職少年(16)と、高校生の少年(17)を逮捕した。逮捕は8月30日。2人は容疑を認めている。
調べでは、2人は先月30日、約14キロの牘嫗梁臻祗瓩鮠分けにしてレトルトカレーの箱に入れ、スーツケースに隠して、タイから航空機で密輸した疑い。福岡空港の門司税関職員が発見した
県警は、2人を運搬役だったとみて、大麻密売に関わる組織的な関与も視野に捜査を進めるという。
元警察関係者は「少年たちが密輸しようとしたのは、銀で中身の見えないレトルトパウチではなく、透明な袋に小分けされた茶色の液体でした。タイから日本への密輸が急増して、タイ、日本ともに検査が強化されている中、バレバレです。密輸組織が少年たちを闇バイト的に捨て駒の逮捕要員として雇って、おとりとして使ったのかもしれません。同時間帯に他の人物が密輸した可能性もあります」と指摘する。
タイは2022年6月にアジアで初めて大麻を合法化したが、娯楽目的の使用の問題が拡大した。
タイメディアによると、24年にはタイから日本への大麻密輸が185件発覚し、前年比7倍に増加したという。タイの大麻合法化前の21年は、日本への大麻密輸事件のうちタイは1%で、米国が7割弱だった。しかし、24年にはタイが5割弱となった。そのため、タイは25年6月から規制を再強化したばかり。
「合法化で規模が拡大して過剰に生産されている大麻が、再規制によってだぶついて、闇市場に安価で流れているようです。日本への密輸の試みは止まらないでしょう」(同)
それにしても少年が約14キロの大麻を密輸するとは驚くほかない。