「女性が仲間に隠してもらいながら…」あの『スラムダンク』の聖地が「インバウンド急増」で無法地帯化

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車道にはみ出し、民家の敷地に侵入し、写真撮影に夢中になる観光客――。
名作漫画『スラムダンク』のアニメのオープニングで、主人公・桜木花道の通学シーンとして登場するのが、神奈川県鎌倉市の江ノ島電鉄「鎌倉高校前」駅の踏切だ。
海外でも大ヒットした同作の″聖地″となっているこの場所で、外国人観光客が急増している。8月末、実際にFRIDAY記者が現地を訪れると、たしかに巨大なキャリーバッグを引くアジア系のインバウンド客や中国語のツアー旗を持った団体客が押し寄せていた。
インバウンド需要は地元経済を活性化させるというが、少なくともここ鎌倉高校前駅付近の住民の生活は、潤うどころか深刻な″観光公害″に脅かされていた。
その最たるものが「トイレ問題」だ。もともと、観光客の数に対しトイレが圧倒的に不足しており、野外排泄が問題になっていた。そんななか、4月末から8月下旬まで、駅の改札外にあるトイレが異物の詰まりや破損・破壊を理由に閉鎖。
その結果、私有地に不法侵入し、用を足す悪質な観光客がさらに増えたという。駅近くの鈴木病院の事務部長が嘆く。
「とくに職員が減る日曜日は野外排泄がやられ放題で……。月曜の朝に出勤して病院の周りを見回ると、物陰のあちこちに排便されている。小だけでなく、大を放置されることも普通です。
中国語で『緊急で、どうしてもトイレを貸してほしい』とお願いされることがよくあるのですが、使い方が汚いうえ、便座の電源コードを勝手に抜いて自分の携帯を充電したり……。トイレでウェディングドレスに着替えて出てきた時には唖然としました。踏切で撮影するためでしょうか……」
ある近隣住民は「海岸沿いの駐車場で女性が仲間に隠してもらいながら、立ってオシッコをしていた」という驚くべき目撃情報を聞かせてくれた。
近隣マンションの宅配ボックスをコインロッカー代わりに無断使用したり、壊れたスーツケースを不法投棄したりといった被害も報告されている。散乱したゴミを毎朝、地域の住民がボランティアで拾い集めているのが現状である。
住民の安全を直接的に脅かしているのが、違法な″白タク″や外国人ドライバーによる交通トラブルだ。彼らは勝手に個人の駐車場に乗り入れて客待ちをしているという。声をかけると翻訳アプリを使い″逆ギレ″してくることもザラ。言語は大半が韓国語か中国語だという。
さらに、8月25日には男子中学生が外国人運転手に当て逃げされるという事件が起きた。少年の父親が憤る。
「迷惑駐車を注意しても運転手が聞き入れないので、息子は警察に通報したんです。すると運転手は、いきなり車を動かし息子の自転車に衝突させ、カタコトの日本語で『邪魔だ!』と怒鳴り、息子の写真をスマホで撮って走り去った。息子はかなりのショックを受けていました」
ある地元住民は「耐えきれず引っ越した家庭がいくつもある」と嘆く。
今後の対応について鎌倉市観光課に問い合わせると、「目の前の課題に対し、関係者・機関と協議を重ねて急ぎ対応を進めている状況です」と回答があった。
悪質な観光客による″ファウル″が、これ以上許されてよいはずがない。
『FRIDAY』2025年9月12・19日合併号より

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