三菱商事など企業連合、秋田県沖などの洋上風力発電事業の撤退発表…国のエネルギー戦略に打撃必至

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三菱商事などの企業連合は27日、秋田県沖と千葉県沖の計3海域で進めていた洋上風力発電事業から撤退すると発表した。
世界的な物価高や円安に伴う建設費の高騰で、発電しても採算が取れないと判断した。政府は洋上風力を再生可能エネルギー拡大の切り札に位置づけており、国のエネルギー戦略に打撃を与えるのは必至だ。
撤退するのは、三菱商事と中部電力のグループ会社などが千葉県銚子市沖、秋田県の能代市・三種町・男鹿市沖、同県由利本荘市沖の3海域で計画していた風力発電事業。国が2021年に実施した公募で落札し、28~30年の運転開始を目指していた。売電価格として、政府の想定を大幅に下回る1キロ・ワット時あたり11・99~16・49円を提示したことが落札につながったとされる。
だが、落札後に建設費が高騰。三菱商事は完成しても費用を回収できないとして、事業性を再評価していた。減損損失として三菱商事は524億円を計上し、中部電力も356億円を見込んでいる。
三菱商事の中西勝也社長は27日に記者会見し、「ウクライナ危機、インフレ、為替など、事業環境が大きく変化し、想定をはるかに超えてコストが膨らんだ」と釈明。風車メーカーの変更や工程短縮などの手段を検討したが、当初は1兆円超としていた建設費用が2倍以上に増えたと説明した。
政府は2月に閣議決定したエネルギー基本計画で、電源全体に占める風力発電の割合を現在の1%から40年度に4~8%へと拡大する方針を示し、特に洋上風力を有望視している。三菱商事などが撤退する予定地について、速やかに再公募を行う方針だ。

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