《麗しのロイヤルブルー》雅子さま、ファッションで示した現地への“敬意” 専門家が絶賛「ロイヤルファミリーとしての矜持を感じた」【軍地彩弓のファッションNEWS】

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天皇皇后両陛下が、7泊8日のモンゴル訪問を終え、7月13日に帰国された。両陛下にとって18年ぶりとなった今回の公式訪問。11日、モンゴル最大のスポーツの祭典「ナーダム」をご観覧された際、雅子さまは鮮やかな上下青の装いで臨まれた。ファッション編集者の軍地彩弓さんが解説する。
【写真】色鮮やかなロイヤルブルーのジャケットとパンツ、『絞り染め』のジャケットなどモンゴル現地への“敬意”が感じられる雅子さまのファッション
「青のロングジャケットのスーツは、サイドスリット(衣服の裾などに設けられた切り込み)が入ったロングジャケットにワイドパンツ。中央アジアらしい、立ち襟のジャケットに組紐のボタン。モンゴルの伝統的な衣装“デール”へのリスペクトが込められたデザインに感服しました」(軍地彩弓さん、以下同)
雅子さまの代名詞ともいえる“ロイヤルブルー”。4月16日には、科学技術の分野で優れた業績を上げた研究者に贈られる「日本国際賞」の授賞式が開催され、その際の華やかな青のドレス姿も大きく注目を集めていた。
今回、雅子さまがチョイスされた“青”には、さらなる意味合いも込められていたという。
「モンゴルの国旗の3色は赤、黄色、青。諸説ありますが、赤は進歩と繁栄を、黄色は永遠の愛と友好を、青はモンゴルの伝統色で青空を象徴していて、国民のことを表しているそうです。その青を選ぶセンス。今回のご訪問に合わせて、事前に時間をかけて学び、ご準備されたことが伺えるのです。
また、陛下のネクタイも同色で統一されていました。この日は特にモンゴルの国技の大会をご見学ということもあって、来場している現地の方たちがお二人の装いを見て感激されたことと思います。
ひとつひとつのシーンを丁寧に想定されて、TPOに合わせて服を選ばれている天皇、皇后両陛下の真心は、モンゴルの方々にも伝わっていることでしょう」
翌日の12日には、フイ・ドローン・ホダグ競馬会場で100頭以上のモンゴル馬が駆ける競馬競技を観戦された。雄大な緑が広がる大草原のなか、淡い白を基調としたジャケットをお召しになっていた雅子さまについて、軍地さんは「非常に印象的なシーンでした」と語る。
「この日のお洋服は、淡藤色(淡い青紫色)と淡黄色で染め分けられた『絞り染め』のジャケットです。生地から仕立てられたこの一着。日本の伝統工芸の美をお示しいただきました。
そのお姿は背景の草原の中にあって凛と美しく、モンゴルと日本の伝統を繋ぐ素晴らしい一着だったのです。雅子さまのきめ細かな“思いやり”のセンスは、まさに世界に誇るロイヤルファミリーとしての矜持を感じさせてくださいました」
今回の訪問では、歴代の天皇・皇后として初めてモンゴルで抑留され亡くなった日本人の慰霊碑を拝礼された。終戦から80年の節目を前に、日本の伝統と相手国への敬意をファッションでも示された雅子さま。平和への思いを感じる親善訪問だった。

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