静岡県伊東市の田久保真紀市長は2025年7月25日、証人として出頭するよう求められていた市議会の百条委員会を欠席した。田久保市長は「証言を求められているのは、いずれも回答が事実上不可能な内容を含むものであり、不適切な請求」などと出頭を拒否する回答書を提出した。
18日に「今月中に辞職することが希望」と述べていた同市長。この日は報道陣に「一応考えとしては持っているが…」と、時期については明確にしなかった。
25日の百条委では、委員から「自分は正しいって思う部分なのに、それを理由に出頭しないっていうのはもう権利を主張しすぎておかしなことになっている」などの意見が噴出。市長が「卒業証書」とする書類の提出を拒んだことについて、提出拒否の理由は「正当ではない」と結論付けた。
また、出頭拒否についても、「正当な理由ではないことを、委員会として結論いたしました」(伊東市議会・中島弘道議長)とした。
市議会の青木敬博副議長は「敵前逃亡みたいな感じですよね。市民に対して説明を逃れているという印象。最終的には顧問弁護士と話して、決定することになるが、自分の今の個人的感覚では罰則は適用されると思っています」と厳しい口調で非難した。
静岡第一テレビなどの報道によると、「平成4年3月東洋大学法学部卒業生」と市長の同級生を名乗る新たな投書が市議会議長宛に届いていたことが分かった。
投書は「田久保真紀の卒業証書なるものの真実をお知らせします」と記した上で、「彼女は単位不足で3年に進級できず、入学から4年経った時点で2年生を3回繰り返していました」と指摘。
そして、「田久保だけが卒業できないのはかわいそうだ。お遊びで卒業証書を作ってやろう」「自分たちが持っている本物の卒業証書と同じ造りでは犯罪になるため、敢えて誰が見てもパロディだとわかる忘年会の余興の出し物のような造りにしたそうです」と、偽の卒業証書が作成された経緯が記載されていた。
投書を確認した議長は、「公文書」扱いとし、百条委員会の委員に共有したという。
7月末までの辞任を表明している田久保市長。25日に記者から問われると、「一応考えとしては持っているが、はっきりできる時点でしっかりしたい」と明確な回答を避けた。
伊東市が公開している資料を見ると、2024年6月1日現在で市長の給料は85万5000円。退職手当の算定方法は、給料月額×45/100×在籍月数となっている。
テレビ静岡の報道(7月10日)によると、市長の退職金は、毎月1日が算定基準日と報じられ、「8月1日以降に辞めるつもりなのか」と不信感をあらわにする職員の声も報じられている。
伊東市政の混乱は8月も続いていくのか。