骨折手術で鎮静剤投与、3年間意識戻らず 旧大阪市大病院で医療過誤

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大阪公立大学(旧大阪市立大)医学部付属病院は29日、令和元年12月に手術を受けた男性=当時(79)=が鎮静剤の投与後に一時心肺停止となり、現在も意識不明の状態が続いていると発表した。
医師や看護師の経過観察が不十分だったことが原因という。男性の家族から指摘を受けて公表した。
病院によると、男性は骨折した腕を手術するために入院した。手術後に興奮状態となったため鎮静剤を投与された後、心肺が停止。蘇生(そせい)したが低酸素脳症となり、現在も意識が戻っていない。
心肺停止は鎮静剤の影響により、舌が気道をふさいだためとみられる。その後も医師や看護師が男性を医療機器に接続せず、呼吸や脈拍を確認していなかったため、心肺停止に気付くことが遅れたという。
病院は当時の内部規定で、重篤な医療過誤は報道機関を通じて公表しなければならなかったが、昨年8月にホームページ(HP)へ掲載するのみだった。
発表会見に出席した中村博亮(ひろあき)院長は「隠蔽する意図はなく、HPでの公表で十分だと誤解した。親族の心情に沿った対応ができず反省している」と謝罪した。

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