【蓮舫氏出馬へ】「山尾ショック」の二の舞で肝を冷やすギリギリの候補者たち

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7月3日に参院選が公示される。比例代表で立憲民主党から立候補することが明らかになった蓮舫元参院議員。擁立をめぐっては党内で多くの反対があったとされるが、そもそも各方面から嫌われる理由はどこにあるのだろうか。
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「国民民主から公認を得て出馬予定だった山尾志桜里氏に対する世間の風当たりが強かったのと同様、蓮舫氏の擁立には立憲党内からは慎重論・反対論ばかりでした」
と、政治部デスク。
「山尾、蓮舫の両氏ともに知名度は高い一方で、SNSを中心に“嫌われ者”キャラでもあり、出馬は諸刃の剣との指摘もありました。山尾氏を参院選で擁立すると発表して以降、国民民主の支持率が低下していったのは事実。山尾氏は会見してこれまで取り沙汰されてきた疑惑を説明しようと試みたのですが、結局、国民民主は山尾氏の公認を取り消す判断をしました」(同)
山尾氏は一旦政界から身を引いた身だったが、国民民主の玉木雄一郎代表からの熱心な誘いを受けて出馬に至ったという経緯がある。多くの非難を集めてもあくまで出馬にこだわった山尾氏に対して公認取り消しというハシゴを外すような振る舞いをしたことで、玉木氏への批判も高まっていた。
一連の「山尾ショック」と同様の「蓮舫ショック」を懸念する声が立憲民主党内に上がっても不思議はない。
「2024年の都知事選に参院議員を辞職して臨んだ蓮舫氏は現職の小池百合子氏に敗れ、2位にすらなれませんでした。本人も現実を受け止めることができず、政治から距離を置く旨を明かしていたわけですが、それからわずか1年で再び政界復帰を目指すことについてなかなか説明しづらい面があるのは間違いないでしょう」(同)
多くの批判を浴びることを承知で政治の場に戻ってくるにあたっては山尾氏同様、熱心な誘いがあったようだ。
「立憲の野田佳彦代表や手塚仁雄幹事長代行に加え、2021年の衆院選で落選後に22年の参院選で当選した辻元清美代表代行らです。辻元氏は42万票あまりを獲得して比例トップで当選しました」(同)
「極端なことを言うと、その3人以外は蓮舫氏の出馬に慎重派だということです。特に蓮舫氏が出てくることで当選が危うくなる人たちは“嫌な思い”をしているようです」(同)
蓮舫氏は民主党が政権を奪取した2009年、行政のムダを省く「事業仕分け」の責任者として、「2位じゃダメなんですか」との言葉を残した。
「結果としてスパコンの予算は大幅に減額されました。蓮舫氏には他人にきつく厳しく当たってしまう性向があり、それがうまく行くこともありますが、反発を買うことも当然あり、それが嫌がられているとの指摘は根強くありますね」(同)
立憲は2019年の参院選比例代表で8、22年の参院選比例代表で7議席を獲得した。
「今回10議席を獲得できるなら別ですが、さすがにそこまでは届かないと見られています。そのため近年の選挙でギリギリの当選だったり、わずかに届かなかったりした候補者は正直“ざわついて”いるようです」(同)
具体的に、ギリギリの線の候補者としては川田龍平(19年に6位で当選)、石川大我(19年に7位で当選)、白眞勲(22年に次点で落選)の各氏らの名が上がっている。
「蓮舫氏が圧倒的に得票し、自分以外の複数人が当選できるだけの票の掘り起こしをしてくれるなら別ですが、その可能性は低い。知名度を生かしてトップ当選はほぼ確実視されていますが、その分しわ寄せと言うか割を食う候補が出てくるというのが実際のところなのでしょう」(同)
蓮舫氏の不人気で票が逃げる危機感というよりはむしろ、限定された議席数が蓮舫氏に奪われた結果、自身が落選する危機感の方が強い、ということなのかもしれない。
「野田氏を筆頭に蓮舫氏擁立に舵を切ったのは、“得られるものの方が多い”との判断があったからでしょう。立場が危うくなる人たちの声は“雑音”でしかないのかもしれません」(同)
弱者の声に耳を傾けるのはかくも難しいということだろうか。
デイリー新潮編集部

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