まもなく公示を迎える参議院選挙。時の政権を評価する“中間テスト”と言われることもありますが、今回は自民党内では「選挙に負ければ最悪、総理が出せなくなる」との危機感も広がっています。
【写真で見る】“度重なる方針転換”石破内閣のこれまで
高柳光希キャスター:7月3日に公示を迎える参議院議員選挙。一般的に、衆院選は「政権選択の選挙」、参院選は「政権の“中間テスト”」とも言われることもありますが、有権者は石破政権に対してどんな評価を下すのか。政権の今後につながる重要な選挙となります。
その前哨戦とも言われる、東京都議会議員選挙が6月22日に行われました。
・都議選:自民党の獲得議席は21議席(-9)※過去最低・内閣支持率:支持は34.6%(前月比+1.3)※JNN世論調査、5月31日、6月1日・コメの価格:5kgあたり4176円(前週比-48円)※農水省の調査資料より(6/2~6/8)
自民党大敗となったわけは、どういったことなんでしょうか?
TBS報道局岩田夏弥政治部長:「もう少し自民党は踏みとどまるのかな」という見方もありましたが、都議選が終わってみると、過去最低の議席ということで、相当厳しい結果になりました。
こういった結果に、自民党関係者からは「やっぱり裏金問題にちゃんとケリがつけていないと思っている国民が多い」、自民党若手議員からは「給付金の評判が悪くてびっくりしている」という声が出ています。2024年の衆院選で「政治とカネ」が問題になりましたが、企業団体献金をめぐる政治資金規正法の改正法案の決着が出なかったということもありました。それから、一律2万円という給付金を石破総理が表明しましたが、地元で自民党への評判が良くなかったということで、党内からも厳しい声が相次いでいるのが現状です。
井上貴博キャスター:小池都政が子育て政策を含めて強かったり、バラマキもうまくいったり、自民党支持層の一部の人が参政党を支持したなど、要因がいくつかあったと思います。
タレント・俳優青木さやかさん:石破総理になってから、「生活が良くなった」などという実感は1回もなかったと思います。2万円の給付金と言われても安いなと思いました。他に、「国会議員って、お金もらっているんだな」という印象も受けました。物価が高いわりに、「給料が上がった」という感覚がないので、「この政党はどういう政策なのか」というのを見て、実現してくれる人を見つけたいという思いが強いです。
出水麻衣キャスター:石破総理は「楽しい日本にしたい」とも言っていましたが、疑問を抱きますよね。
高柳キャスター:なぜ、都議選の内容がフォーカスされるのかということについてですが、都議選は4年に一度、参院選は3年に一度です。そして、12年に一度、同じ年に「都議選」と「参院選」が行われ、「巳年選挙」とも言われます。
【自民党の獲得議席】2001年・小泉フィーバーで自民党圧勝都議選48議席→53議席、参院選は自民単独過半数64議席1989年・マドンナ旋風で自民党大敗都議選63議席→43議席、参院選は改選議席半減36議席
過去の傾向を見てみると、2001年「小泉フィーバー」がありました。都議選で獲得議席を伸ばし、参院選でも自民党の単独過半数・64議席を獲得して、自民党の圧勝となりました。その12年前、1989年には女性候補を積極的に擁立した土井たか子氏率いる社会党が、「マドンナ旋風」を起こし、参院選では自民党の議席は半減し、36議席しか獲得できませんでした。自民党の大敗となりました。こういったところは直結しているんでしょうか?
TBS報道局岩田夏弥政治部長:都議選と参院選は、12年に一度、同じ年になるわけですが、約1か月から約2か月と非常に期間が短いです。各党にとってどうかというより、そのときの政権与党、基本的には自民党が長かったわけですが、自民党を支持するかどうかが、1つの試金石になってきました。参議院でも、そのままの形になることが過去になかったので、今回、注目されていたということです。参院選は通常であれば、いきなり政権選択の選挙ではなくて、「中間テスト的な位置づけ」とみられています。
自民党が参院選に大きく負けてしまうと、期末テスト(衆院選)にたどり着く前に、石破政権が退陣に追い込まれる可能性もあるということです。衆議院では少数与党なので、参議院も与党の自公が過半数割れとなると、中間テストどころか、今回が重要な政権選択の選挙につながる可能性もあるということで、今までの参院選とは少し色合いが違っているところがあります。
井上キャスター:参院選で争点の一つになると言われているのが、物価高対策を「給付金」で行うか、「減税」で行うかということです。石破総理はこれまでも「消費税減税というのは、高所得者ほど恩恵を受ける」というふうに言っています。しかし、内容を見ると、給付金は「高所得者も含めて一律に渡す」としていて、「言っていることと、やっていることが違うのでは」「詭弁では」と感じます。一方、野党側は「減税」を主張していますが、本当にできるのか、財源はどうなのかを慎重に見る必要があると思います。青木さやかさんは「実行できる政治家を」と言っていましたが、「選挙に向けて注目しているところ、基準にしたいところ」があれば教えてください。
タレント・俳優青木さやかさん:15年間、動物愛護の活動をしていますが、良くなっている気配は全くありません。動物も年をとれば、動物愛護をしていた私たちも年をとっていくので、ますます大変になっていきます。殺処分の数は減っていますが、保護団体や保護活動している人たちが頑張っているというのが現実で、蛇口が閉まってないから動物が増えているんですね。
井上キャスター:何を変えると良くなるんですか?
タレント・俳優青木さやかさん:販売のための荒廃を減らすことなんじゃないでしょうか。まだ保護団体にはたくさんの動物がいます。(政策面では)経済のことも気になりますが、この先の子どもたちのことで一番気になっているのは、環境保全なのかもしれないし、この暑い国でどういうふうに子どもたちが暮らしていくんだろうか、東京で暮らしていけるのか、というのも思います。実現してくれる人を見つけたい。それにはどうしたらいいんだろうというのが私の疑問です。
==========<プロフィール>岩田夏弥TBS報道局政治部長元官邸キャップ小渕総理以来、主に政治取材を担当青木さやかさんタレント・俳優高校生の娘の母ギャンブル依存・肺腺がん闘病の経験も