札幌市西区で2023年11月、不正改造された軽乗用車から走行中に左前輪が外れ、直撃を受けた女児(5)が意識不明の重体となった事故で、車を運転し、自動車運転死傷行為処罰法違反(過失運転致傷)などに問われた被告の男(51)に対し、札幌地裁(渡辺史朗裁判長)は24日、懲役3年、執行猶予5年(求刑・懲役3年)の判決を言い渡した。
車の所有者で、男にタイヤの不正改造を依頼したとして道路運送車両法違反に問われた被告の男(51)には、求刑通り罰金20万円を言い渡した。
判決によると、運転の男は23年11月14日、タイヤが不調だとして所有していた男から点検を頼まれた。その際、左前輪のホイールナットの緩みを見逃して運転し、同区の住宅街で左前輪が外れる事故を起こした。タイヤは歩いていた女児に直撃し、女児は回復の見込みのない頸髄(けいずい)損傷の重傷を負った。女児は今も意識不明だ。
判決後に記者会見した父親は「被害の大きさと刑罰のバランスが取れていない」と憤りをあらわにした。