六代目山口組が傘下組織に配布する機関紙『山口組新報』。最新号〈第32号〉は〈山口組創立百十年〉と銘打ち、これまでの号の掲載内容から変化が見られた。表紙には山口組の歴代組長のカラー写真が大きく掲載されている。
【写真】話題の「”金ピカ”司組長」「”銀着物”司組長」 4月7日の「抗争終結緊急会合」で見せたNo.2高山若頭の厳しい表情
2ページ目からは通常号と同じく、司忍組長の近影と幹部の巻頭言が掲載されている。近影は1月25日の「誕生日を祝う会」の際に撮影されたものとみられ、ズラリと並んだ色鮮やかな胡蝶蘭の前に銀色の着物を着た司組長が立っている。
「この会はコンパニオンを呼んで盛大に催されたようです。カラオケ大会も開かれた。宴を終えて出てきた司組長は赤ら顔で、お酒を飲んだようでした。現場の警察、メディアからは83歳とは思えない精力ぶりだという声が上がったほど」(実話誌記者)
巻頭言を綴ったのは幹部の吉村俊平・吉川組組長。どうやら山口組にとってもドジャース・大谷翔平(30)への関心は高いようだ。昨シーズン、数々の記録を打ち立てたことについて〈これは我々日本人の誇りであります〉と述べている。
昨年の山口組にとって明るいニュースといえば、殺人未遂などの罪に問われていた中田浩司・山健組組長に無罪判決が下されたことだが、その無罪判決と大谷の活躍を並列して“明るいニュース”として取り上げたのだった。中田組長の公判は検察が控訴していて予断を許さないが、山口組は中田組長を若頭補佐に昇格させている。
「警察の特定抗争指定もあり、指定区域内で5人以上会えない状態が続いている。そもそも抗争状態であるので、そう気軽に出歩くのも気が引ける。そのため朝から大谷の試合を見ている組長も多いのでしょう。NetflixやAmazonプライム・ビデオで海外ドラマなどを視聴するのにハマっている組長もいます」(同前)
吉村組長は神戸山口側を〈偉大なる山口組の看板に泥を掛けた不届者謀反組〉〈若者達まで路頭に迷わせ、任侠道を根底から踏みにじり〉と厳しい口調で非難。そして、今年は司組長が六代目に就任してから20年であり、〈どうかこれからも若輩なる私共に御指導の程を宜しくお願い致します。組員一同が目下の事態を収束し一日も早く親分の平穏を取り戻す事に尽力する所存でございます〉と述べている。
4月7日、六代目山口組は兵庫県警に「宣誓書」を提出し、抗争終結の意思を伝えた。一方的な宣言であり、抗争相手の神戸山口組らの動向に注目が集まっている。さらに、“七代目”体勢への注目も集まりだした。”平穏”はまだ訪れない。