最低賃金、大幅引き上げへ パート・雇用側から賛否の声

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今年度の最低賃金の引き上げ目安が、過去最大の平均63円と決まりました。目安通りなら全国平均1118円で、すべての都道府県で時給1000円超えとなります。パートの人や雇用する側からは、賛否の声が聞かれました。 ◇街の皆さんに時給を聞いてみました。スーパーでレジ打ち(40代)「時給は1320円。スーパーでレジをやってます。他のところよりはちょっといいのかな。結構、私は満足してます」

京都の飲食店でアルバイトする大学生(20代)「(京都の)最低賃金が1058円なんですけど、私(の時給)がどんどん上がって1270円。物価とかも高くなって、使い切ってしまう。働いて稼ぎたい」カフェでアルバイトする大学3年生「時給は千葉の最低賃金の1076円」――最低賃金が平均63円上がるカフェでアルバイトする大学3年生「えっ! 1100円は超える」4日、新たな最低賃金の目安が決まりました。今年度の最低賃金の引き上げ額の目安を決める厚生労働省の審議会で、4日夜に出された注目の結論。引き上げ幅の全国平均は、過去最大の「63円」です。目安通りに引き上げられれば、最低賃金の全国平均は現在の1055円から1118円となり、10月ごろにはすべての都道府県で初めて1000円を超えることになります。パートなど働く人にとっては、うれしいニュースです。カフェでアルバイトする大学3年生「旅行行きたいです。貯金して旅行に行きたいです」 ◇一方、最低賃金アップに経営者側は、どう感じているのでしょうか?群馬県にあるクリーニング店では、従業員23人のうち17人を最低賃金の985円で雇用しています。初の1000円超えに社長は…ロゼクリーナースカキヌマ 柿沼克彦社長「そのぐらい上がるだろうと覚悟していた。一番難しいのは最低賃金が上がると、最低賃金よりも多く払っている従業員も、同じ幅で上げないと難しい。全員が同じ金額で上がる感じになっちゃう」全従業員の時給にかかわる問題と話します。政府は、2020年代までに最低賃金を1500円に引き上げる目標を掲げています。昨年度から今年度は6%上昇する見込みですが、このままではあと4年で1500円には到達しないペースです。時給が6%上がるだけでこのクリーニング店では、年間の負担は200万円以上もアップ。ロゼクリーナースカキヌマ 柿沼克彦社長「6%という数字を人件費の比率で考えると、年間200万円ちょっとが上がる。値上げが一番、安易なやり方。できればやりたくない」 ◇さらに、最低賃金の引き上げで、人手不足につながる懸念もあります。いわゆる「年収106万円の壁」を越えると、働いている企業などの社会保険への加入が義務付けられます。保険に加入すると手取りが減る可能性もあるとして、働き控えが加速する懸念があるのです。物価高が続くなか、加速する賃上げの波。労働者と経営者双方が安定した労働、雇用を継続できる環境づくりが求められます。
今年度の最低賃金の引き上げ目安が、過去最大の平均63円と決まりました。目安通りなら全国平均1118円で、すべての都道府県で時給1000円超えとなります。パートの人や雇用する側からは、賛否の声が聞かれました。

街の皆さんに時給を聞いてみました。
スーパーでレジ打ち(40代)「時給は1320円。スーパーでレジをやってます。他のところよりはちょっといいのかな。結構、私は満足してます」
京都の飲食店でアルバイトする大学生(20代)「(京都の)最低賃金が1058円なんですけど、私(の時給)がどんどん上がって1270円。物価とかも高くなって、使い切ってしまう。働いて稼ぎたい」
カフェでアルバイトする大学3年生「時給は千葉の最低賃金の1076円」
――最低賃金が平均63円上がる
カフェでアルバイトする大学3年生「えっ! 1100円は超える」
4日、新たな最低賃金の目安が決まりました。
今年度の最低賃金の引き上げ額の目安を決める厚生労働省の審議会で、4日夜に出された注目の結論。引き上げ幅の全国平均は、過去最大の「63円」です。
目安通りに引き上げられれば、最低賃金の全国平均は現在の1055円から1118円となり、10月ごろにはすべての都道府県で初めて1000円を超えることになります。
パートなど働く人にとっては、うれしいニュースです。
カフェでアルバイトする大学3年生「旅行行きたいです。貯金して旅行に行きたいです」

一方、最低賃金アップに経営者側は、どう感じているのでしょうか?
群馬県にあるクリーニング店では、従業員23人のうち17人を最低賃金の985円で雇用しています。初の1000円超えに社長は…
ロゼクリーナースカキヌマ 柿沼克彦社長「そのぐらい上がるだろうと覚悟していた。一番難しいのは最低賃金が上がると、最低賃金よりも多く払っている従業員も、同じ幅で上げないと難しい。全員が同じ金額で上がる感じになっちゃう」
全従業員の時給にかかわる問題と話します。
政府は、2020年代までに最低賃金を1500円に引き上げる目標を掲げています。昨年度から今年度は6%上昇する見込みですが、このままではあと4年で1500円には到達しないペースです。
時給が6%上がるだけでこのクリーニング店では、年間の負担は200万円以上もアップ。
ロゼクリーナースカキヌマ 柿沼克彦社長「6%という数字を人件費の比率で考えると、年間200万円ちょっとが上がる。値上げが一番、安易なやり方。できればやりたくない」

さらに、最低賃金の引き上げで、人手不足につながる懸念もあります。
いわゆる「年収106万円の壁」を越えると、働いている企業などの社会保険への加入が義務付けられます。保険に加入すると手取りが減る可能性もあるとして、働き控えが加速する懸念があるのです。

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