気になるのは税金の使い道より子どもの学習塾 国会で「内職合戦」を繰り広げる野党議員のスマホの画面

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

衆院自民党が少数与党となり、委員長の席を立憲民主党に譲り渡した予算委員会で、今国会、ある変化が起こった。「省庁別審査」である。予算案の審議を各省庁別に分け、専門的に掘り下げて検討するというのだ。
「安定与党では覆ることのなかった予算案ですが、現状においては野党でも十分に介入の余地がある。そのために野党の提案でこの制度が決められた。とくに立民は、新たに『“本気の歳出改革”作業チーム』を発足させ、徹底的な歳出削減の検討を始めています」(政治部記者)
こうした動きが、果たして政権交代につながるのか、委員会の様子を見たところ……。
***
【写真20枚】スマホに夢中な議員の「お手もと」をクローズアップ 意外な書類を手にする“有名議員”も
ここに示すのは2月7日、衆院予算委員会での野党代議士たちの「手元」である。
審議が始まって3時間がたった12時過ぎ、環境省についての審査が進む中、立民の今井雅人氏(62)のスマホに映るのはプロ野球のキャンプ情報であり、為替情報。元銀行員で、代議士をしながら現在もアナリストとして有料のFX情報を発信している彼にとっては重要情報だろうが、もちろん審議に関係はない。
それだけではない。LINEを開いたり、Google検索をしてみたり……。検索窓には、個別指導塾「あすなろ塾」の文字が。妻・今井恵子氏の「衆議院議員パパと娘の応援日誌」なるインスタグラムで公開されている12歳と10歳の愛娘の進路が目下の心配事のようだ。公式サイトによると、小学校高学年の授業は1コマ1250円から。
今井氏が為替動向を見ていた頃、同僚の米山隆一氏(57)は、MRIの画像診断図をとじた分厚いファイルを真剣に読み込んでいた。東大医学部を卒業して医者になった後、司法試験に合格して弁護士に転じた「異能の人」は、二足のわらじで弁護士事務所の代表も務めている。
そして維新に目を転じると三木圭恵(けえ)氏(58)が、こども家庭庁の審査中にスマホでヨモギの薬効調査に余念がない。Xを開いては、同じく維新所属の阿部司氏(42)のポストをじっと見つめる場面も。
さて、これらの内職について、当人らはどう答えるか。
今井氏からは「委員会での議論内容を携帯で検索している最中に、議事とは関係のないサイトを閲覧してしまいました。今後は十分に注意し、このようなことがないよう気を付けてまいります」と返答が。
米山氏からも「委員会審議にも関わる資料を見る中で、ご指摘の通り関係ない資料も見てしまいました。大変恐縮です。以後このようなことがないよう、心して審議に当たります。内職というようなものではありません」と殊勝な返答があるにはあったが、議会でのスマホ使用は禁止であり、審議に関係のない資料の閲覧ももちろんNG。
“本気の改革”がスマホを握った指先からこぼれ落ちていかないことを願いたい。
撮影・本田武士
「週刊新潮」2025年2月20日号 掲載

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

SNSでもご購読できます。