国民民主党・玉木雄一郎代表が語る「不倫騒動後の妻」と「トランプ新米国大統領」との付き合い方

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「趣味は妻です」
’24年の政界で話題を攫(さら)ったのは国民民主党だった。かつては存続の危機を囁(ささや)かれたこともあったが、10月の衆議院選挙では解散前の実に4倍となる28議席を獲得。一方で、自身の不倫スキャンダルにより3ヵ月の党役職停止処分となった玉木雄一郎氏(55)は、″禊(みそぎ)期間″にある。
それでも論客としてメディア露出は絶えないなど、依然として注目度は高い。「時の人」は政界、経済、国際社会をどう占うのか。渦中の玉木氏を直撃した。
榛葉(しんば)賀津也幹事長(57)の「趣味は玉木雄一郎」発言をなぞり、申しわけなさそうにFRIDAYに打ち明ける玉木氏は、騒動後に「家族と向き合う時間が増えた」という。衆院選後、番組出演やインタビュー依頼は100件に届くなど多忙を極める。しかし、今の玉木氏にとって妻と過ごす時間は欠かせないという。
「不倫報道後、改めて家庭のことは妻に任せっきりだったと気づきました。恥ずかしながら、自分用の口座すら持っていなかったほど、妻に頼りきっていた。夫婦間のコミュニケーション不足、それに尽きます。今は妻の散歩や買い物に同行し、家の掃除や家事もするようになりました。夫婦で向き合う時間ができた。政治家としてではなく、一人の家庭人としては、その点でかえって良かったのかもしれません」
当然だが政治家の妻といえども、浮気に寛容というわけではない。玉木氏はどのように許しを請(こ)うたのか――。
「とにかく頭を下げ続けることです。妻に簡単に許される方法なんかありませんよ。結局、妻としっかり話すことしか解決方法はない。今も妻に許してもらえたとは思っていません」
衆議院選挙での議席増の要因について水を向けると、一呼吸置いた後にこう明かした。
「国民の皆さんに『よく見つけて頂いたな』というのが正直なところです。4年半前に15名の仲間で結党し、『手取りを増やす』『減税』の二つを一貫して訴え続けてきた。他党が曖昧な公約を掲げるなか、手取り増というシンプルな政策がとくに若い層に刺さった。その方法の一つが、『103万円の壁引き上げ』でした。とはいえ、選挙前はここまで国民の皆さんに届くとは想定していませんでした」
政府予算案に賛成したことなどから、″政権与党″と批判されたこともある。だが、玉木氏は与党案を頭ごなしに否定するのではなく、政策本位で協力を進める国会になるべきだ、と力を込める。
「どこの党、誰と組むといった点には興味がないんです。石破政権の延命に手を貸すつもりもないし、野党で無理にまとまろうだとかもまったく考えていない。政策ごとに協議するのが正しい国会のあり方でしょう。『大化の改新』が行われた645年は乙巳(きのとみ)年。今年も同じ乙巳年で、我が党は『令和の改新』を掲げています。このままいけば、夏の参院選でも自公は過半数割れとなると見込んでいる。『古い皮から脱皮しよう』という傾向は一層進むでしょう。旧態依然とした政治を打ち壊す一年になるし、そうでなければいけない。その中心に国民民主党がいたい」
自民党の裏金問題により、政治不信は広がっている。また、生活苦によって国民の声はいっそう切迫しているというのが玉木氏の考えだ。
「綺麗事ばかり並べる政治ではなく、とにかく物価高をなんとかしてくれよ、と。そのために政治をしてくれ、というのが国民の率直な思いだと思います。政治改革やLGBTへの理解増進などさまざまな課題はありますが、生活を良くしたい、という叫びをどうキャッチできるかが政治に求められている」
国際社会に目を移すと、’25年はドナルド・トランプ氏(78)が米大統領に再び就任するなど、大きな変化の最中にある。外交については、このような見解を示した。
「中国、ロシア、北朝鮮のリスクを考えると、アメリカ、韓国、インドとの関係は重要となってくる。世界の秩序を保つ役割を担ったアメリカが、リスクの中心ともいえる世界情勢となった。そういった意味では、日本の政治のように国際社会もどこに軸があるかわからない、無軸状態が表出する一年になるのではないでしょうか」
そのうえで、トランプ政権との関係強化は必須だというのが玉木氏の考えでもある。「実は細いながらもホットラインを保有している」とも明かし、不敵な笑みを浮かべる。
「(トランプ政権に)知り合いはいるので、改めて繋ぎ直したい。今こそパイプの強化が必要。彼に伝えたいことは単純です。G7のなかで最もアメリカに投資しているのが日本であり、多くの雇用も生み出している。トランプはジャイアン気質のビジネスマンだから、舐(な)められてはダメ。日本の強みをしっかりアピールしていくことが大切になります」
トランプ氏を口説く″秘策″もあるという。
「トランプタワーで『日本はいい国だよ』と端的に、本気で伝えたい。彼に日本食として、天丼とカツ丼を食べさせたいですね(笑)。パートナーとして一緒に勝っていこうという意味合いも込めて。ここだ! という店はすでに見繕っています」
玉木氏は3月に代表復帰を予定している。激動の’25年、改めて党首としての真価が問われる一年になりそうだ。
『FRIDAY』2025年2月7日号より

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