ビッグモーター創業者の「100億円不動産」を買った“歌手”の資金源とは? 「約13億円の役員報酬を得たこともある富豪」

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保険金不正請求問題を起こした中古車販売最大手・旧「ビッグモーター」(以下、BM)。兼重宏行前社長(73)の所有していた不動産4物件が、計100億円で一斉に売却されたという。購入したのは歌手としても知られる“異色の有名実業家”だそうだが、いったい何者なのか。
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【写真を見る】「いくらなんでもデカ過ぎ」茶室に噴水、滝まで… 兼重氏が住む約500坪の大豪邸
年商5200億円を誇ったBMを一代で築き上げた兼重前社長は、各地に大豪邸を所有していた。
「有名なのは“ビッグモーター御殿”と呼ばれた、都内の一等地に聳える敷地面積約500坪の本宅です。ソニーを創業した盛田昭夫氏とその一族が以前暮らしていた東京都目黒区の青葉台に建てられており、玄関正面には滝が流れる高級ホテルのような造りになっています」(経済誌記者)
他にも、兼重前社長は3件の別荘を所有していた。
「軽井沢には約2900坪もの敷地に、2棟の巨大なリゾートハウスを建てました。京都には、重要文化財に指定されるお屋敷も立ち並ぶ南禅寺の近くに、日本家屋風の館を構えています。熱海には、駅から車で5分の海を望む高台にモダンで瀟洒(しょうしゃ)な邸宅を築いた。いずれも贅(ぜい)を尽くしており、大豪邸と呼ぶにふさわしい別荘です」(同)
BMは2023年7月、保険金不正請求問題を公表。これを受けて24年5月、伊藤忠商事らに買収され、事業を継承する新会社と損害賠償への対応などを行う旧会社に分割された。
「BMのオーナーだった兼重家はこの時、旧会社に100億円を拠出しなければいけなくなったと報じられました。実際、軽井沢と京都、熱海の別荘には24年5月1日付で債権額100億円の抵当権が仮登記されており、目黒の本宅も共同担保目録に入れられていました。その後、抵当権は10月4日付で抹消され、全ての物件が同日付で売却されてもいたのです。これらを計100億円で一斉に購入したのは、橋本ひろしさん(72)という歌手でした」(前出の記者)
公式HPには〈50歳を過ぎて音楽活動を開始〉と書いてあり、メジャーのレコード会社からも曲を出しているようだが……。
橋本氏の知人によれば、
「実は彼、歌手で生計を立てているわけではありません。年商322億円を誇る電子部品メーカー『キョウデン』の創業者で元代表取締役会長の“橋本浩”としての顔のほうが有名だといえるでしょう。13年度に並み居る有名経営者を抑えて、日本一となる12億9200万円の役員報酬をキョウデンで得たこともある大金持ちなのです。稼いだ私財を使い、音楽活動に精を出しています。とはいえ、本気度は単なる“金持ちの道楽”というレベルじゃないですよ」
橋本氏は14年、エンタメ系の教育機関「代々木アニメーション学院」を買収。同学院が運営する東京都品川区・天王洲の「銀河劇場」で自身のライブを開いたこともあった。
キョウデンの関係者はこう言う。
「橋本さんがライブをやれば、100~150人が集まります。曲はオリジナルのフォーク調が多く、歌と語りが渾然としている。客は友だちだけでなく、取引先の人たちが多いですね」
かつては大手スーパー「長崎屋」の事業再生やレジャー施設「大江戸温泉」のチェーン化に成功するなどさまざまな事業で辣腕を振るったが、今はおおむね仕事を引退したという。
「とはいえ、橋本さんの金儲けの嗅覚は衰えていません。購入した兼重前社長の不動産4物件は“計150億円で転売できる”と、周囲に話していたそうです」(同)
儲けたカネは、また音楽活動に注ぎ込まれるのだろうか。
「週刊新潮」2025年1月30日号 掲載

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