「留置所でのあだ名は“ポイズン”」 浅草・親族4人殺害事件の被告が60キロ激やせの理由とは? 「ムササビのように腕から皮膚が垂れ下がっている」

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家族4人を不凍液で“毒殺”したとして、妻と共に逮捕された細谷健一被告(43)。逮捕時は巨漢だった彼が留置所で激変したという。所内で“ポイズン”と呼ばれる同氏の知られざるストイック生活は謎に包まれた事件の全容解明への手がかりとなるか、それとも――。
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昨年末、勾留中の細谷被告が裁判所を相手に起こした「勾留理由開示請求」手続きが東京地裁で開かれた。事件の本筋に関わる公判ではないため、傍聴席は空席が目立ったが、さる司法記者は入廷した細谷被告の姿を見て絶句した。
「細谷の変わり果てた姿を見てぎょっとしました。逮捕時、100キロはゆうに超える肥満体形で、ふてぶてしい印象だった彼が、別人のように痩せてしまっていたのです。巨漢どころか、どこにでもいる大人しそうな中年男性に見えましたよ」
次女・美輝(よしき)ちゃん(4)=当時=の殺害容疑で1度目に逮捕されたのは昨年2月のこと。わずか10カ月前まで力士のような巨漢だった、あの細谷被告が“激ヤセ”したというのだ。彼の身に一体何があったのか。
「細谷くんの体重は勾留当初、130キロ近かったそうですが、8月時点で約70キロにまで落ちており、支給されるスウェットが『LLサイズからLサイズになっちゃった』と語っていました」
そう証言するのは、薬物の使用・所持の容疑で、昨年逮捕された40代男性だ。男性は、逮捕されてから東京拘置所に移送される8月末まで、原宿署の留置所、A棟4階に勾留されていた。途中、男性は部屋の移動を命じられ、移った部屋の隣に細谷被告がいたという。
「留置所では隔週で身体検査が行われるのですが、その度に細谷くんは10~15キロ落ちていた。急激に痩せたため、風呂場で体を見るとムササビのように腕から皮膚が垂れ下がっていました」(同)
なぜ痩せたのかというと、
「同じく勾留されていたコロンビア人が筋トレマニアで、毎日の運動や週2回の風呂の時間に、同じフロアの連中に自重(じじゅう)トレーニングのメニューを教えていた。留置所って、他にやることもないですからね。A棟4階では筋トレが大ブームになっていたのです」(同)
細谷被告もその例外ではなく、コロンビア人に伝授されたトレーニングに日夜励んでいたという。その内容は「ヒットトレーニング」と呼ばれる本格的なもので、脂肪燃焼効果が高いことで知られる。加えて、ハードな食事制限も自らに課していたそうで、
「炭水化物を極力避け、出される食事にはほとんど手を付けなかった。その代わり、金持ちの彼は昼に800円ほど払い“自弁”を頻繁に取っていた。よく焼肉弁当を注文し、米の上に乗った肉だけを食べていた」(先の男性)
過酷なダイエットの影響か、風呂場で細谷被告が倒れる場面にも男性は出くわした。なんでも、高校時代の体重である65キロを目標に設定していたらしく、
「本人はしばらくしたらシャバに戻れると思ってるんです。その証拠に『外に出たらホテル経営に生かしたい』と簿記2級の勉強にも励んでいました」(同)
4人の家族を“毒殺”したと疑われる男が、そう易々と野に放たれるはずもないのだが……。男性は細谷被告と顔なじみになってから、事件について聞いたことがあった。すると、
「あれは、勝手にAmazonでラジエーター液を注文した嫁がやったんですよ。嫁は極刑でしょうが、自分は20年ぐらいで出れるはず」
そう答えたという。もっとも、男性は細谷被告が事件に間違いなく関与したとみている。
「運動場での談笑時、僕がふざけて『不凍液ってどんな味すんの?』と聞いたことがある。すると、あっけらかんと『甘いんですよ』と答えた。あれは、実際に使ったことがある人の言いっぷりで、『こいつ、絶対やってるな』と。仲間内では彼を“ポイズン”と呼んでいました」(先の男性)
捜査では事件に関して否認・黙秘を貫いているという細谷被告。疑われる犯行内容と同様、留置所での言動も不気味そのものだった。
「週刊新潮」2025年1月16日号 掲載

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