「安倍氏に相談」自民“裏金議員”が国会で新証言 真相解明は…【サンデーモーニング】

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会期末が迫る師走の国会。“駆け込み”で始まったのは、いわゆる“裏金議員”たちの「政治倫理審査会」です。
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不記載1817万円 平沢勝栄 元復興大臣「じつに喜んで私はこの会に出席しました」
不記載2403万円 山谷えり子 元拉致問題担当大臣「この機会に私が承知していることを話したい」
先の国会では、出席を拒んでいた自民党・安倍派や二階派の議員らが衆院選での自民党大敗を受け、続々と出席。
裏金問題の発覚前から、派閥の対応に不信感を抱いていたという議員も…
不記載896万円 柴山昌彦 元文科大臣「一般の民間企業からはなかなか理解されない(会計)処理かなと。率直に言って、気分悪かったです。気持ち悪かったです」
安倍派では、議員ごとにパーティー券の販売ノルマを課し、ノルマを超えた分をキックバック。
そのカネを収支報告書に記載しないことで、 “裏金”となっていました。
柴山氏は当初、キックバックを収支報告書に記載していましたが、安倍派からの指示でやめたといいます。
柴山昌彦 元文科大臣「(安倍派では)収支報告書に計上しないので同様の対応をとって欲しい。計上しない形に従って欲しい(と要請された)」
安倍派の事務局に何度問い合わせても、「合法」だと押し切られたといいます。
違法性を疑い、派閥の会長だった安倍氏に直接相談したという議員もいました。
不記載836万円 関芳弘 議員「安倍会長に対して、法的に問題がないのか、その運用は改めるべきではないかと相談したこともありました。そして、安倍会長からも『賛同します』と」
こうした経緯から安倍派では、いったんは裏金作りにつながるキックバックをやめる方針が決まったとみられ、稲田元防衛大臣も、こう証言しました。
不記載196万円 稲田朋美 元防衛大臣「不記載が違法であると、だから安倍さんが止めようとしたんだなと」
廃止の方針が決まったにも関わらず、安倍氏の死後には再び始まっていた裏金作り。なぜ、再開されたのでしょうか。
安倍派の幹部「5人衆」の1人、萩生田元政調会長も政倫審に初めて出席しましたが…
国民民主党 石井智恵 議員「安倍元総理はキックバックについて『もう止めよう』と言ったのでは?」
不記載2728万円 萩生田光一 元政調会長「私は安倍会長とこの件について話したことは一度もなかった」
日本維新の会 守島正 議員「当時の幹部として自発的に真実解明するのが筋では?」
萩生田光一 元政調会長「今のところ新しいことはわからない。わからないことは正直わからない。過去に遡って、わかる人たちがもう少し説明する必要があるのでは」
萩生田氏は「意思決定に関与する立場になかった」と説明。裏金作りが続いた責任の所在は、依然、闇の中です。
いつ、誰の指示で、何のために始まったのかすら明らかにされない裏金問題。
一方、国会では、その裏金問題で大きな変化も…
17日(火)、“政治とカネ”の改革をめぐる法案が衆議院を通過。
カネの使い道を明らかにしなくてもよい「政策活動費」の廃止をめぐっては、野党側の案に自民党が賛成せざるを得ない事態となったのです。
当初、自民党は「政策活動費」の廃止に代わり「公開方法工夫支出」を提案。
新たな“抜け穴”ではないかと批判されていました。
立憲民主党 後藤祐一 議員「(非公開枠に)何でも入ってしまうじゃないか。ブラックボックスめっちゃ大きいじゃないか」
自民党政治改革本部 小泉進次郎 事務局長「何でもかんでも『公開方法工夫支出』に入るというのは、それは違う」
自民党は、国益やプライバシーに配慮が必要な支出は公開しなくてもよい、と主張。
では、現在の支出の中で該当するものを具体的に問われると…
小泉進次郎 事務局長「2023年の自民党の支出に『公開方法工夫支出』に当たるものがあるか。正直、我々、提案者では具体的な運用についてはわからない」
後藤祐一 議員「(法案の)提出者が『公開方法工夫支出』、具体的にどう使っているか分からない。どこに立法事実(法律を作る根拠)があるのかを聞いたのに答えられないのはいかがなものか」
結局、自民党に数の力で押し切る議席はなく、断念に追い込まれたのです。
石破茂 総理大臣「私ども少数与党なので、自分たちが言ってきたことが、そのまま通る状況にないことも承知している」
少数与党の国会では、今後もさまざまな課題の行方が予断を許しません。
立憲民主など野党7党が共同提案した政策活動費を完全に廃止する法案は、自民・公明も賛成にまわり、衆院を通過しました。
自民党が新たに作ろうとした「公開方法工夫支出」は、抜け穴との批判を受けて断念せざるを得なかった形です。
一方で、野党からは企業団体献金を禁止する法案や、世襲議員が政治資金をそのまま継承することを禁止する法案を提出されていましたが、先送りとなっています。
こうした中、政治改革の発端となった自民党の裏金事件をめぐっては、安倍派の議員らが政治倫理審査会に出席しました。
柴山元文科大臣は「“収支報告書への不記載”を不審に思い、何度も派閥に問い合わせた」。
関芳弘議員は「法的に問題がないか、改めるべきではないか安倍会長に相談をした」と証言。
裏金問題の発覚前から安倍派内でも疑問の声が上がっていたことが明るみに出ました。
幹部らの責任が明らかになっていない中、“安倍派幹部5人衆”の1人、萩生田議員も出席しました。
キックバックのシステムについては、「2003年の初当選のときに安倍派の事務総長から説明された」と明かしましたが、一連の裏金作りをめぐる意思決定については、「幹部になったのが2023年8月なので関わっていない。実態解明のためには、過去に遡ってわかる人たちが説明する必要がある」などと話しています。

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