「知らんけど」が流行語大賞ノミネート “責任回避”が時代にマッチ!? 東京でも・・・【大阪発】

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11月4日、年の瀬の風物詩「ユーキャン新語・流行語大賞」の候補が発表された。「村神様」や「BIG BOSS」といった野球関連から、是非が問われた「国葬儀」や猛威を振るう「オミクロン株」の中、関西では、おなじみの言葉「知らんけど」がノミネートされた。
「知らんけど」って使うのか?と、大阪の街で聞いてみたところ…
街の人は(大阪出身者):「あそこの店つぶれるらしいで、知らんけど」みたいな。確信ないけど何かを言うみたいな感じで使う
街の人は(大阪出身者):使ってるっていう感覚ないかもしれない。染み付きすぎて、日常に。車運転してて、「ここ右折でいける?」って聞かれたときに「いけんちゃう?知らんけど」みたいに流れで勝手に出てくる。
関西人が使いがちの「知らんけど」。この言葉が今、ブームを巻き起こしているというのだ。
関西出身者でつくられたグループ「ジャニーズWEST」が2022年にリリースした楽曲「しらんけど」には、「知らんけど」という言葉が30回以上出てくる。
また、時代や流行の言葉を載せている「現代用語の基礎知識」にも掲載。「文末に付けて、断定を避け、責任も回避する言い方」とされている。
この使い方に目をつけたのが、大阪市消防局です。2022年の防火ポスターには「知らんけど」言うたらあかん火の始末…という文章が。800点以上の応募作品の中から選ばれた。
大阪市消防局 長澤宏太 消防司令補:自信のないときや自分には責任が持てないときに、「知らんけど」というような言葉を使うと思うんですけど。そこに「言うたらあかん」という言葉をつなげることで、火を使用するときには最後まで責任を持ってくださいね、ということをポイントに選ばれました
今、注目のワード「知らんけど」。なんと、東京の若者の間でも…
(Q.「知らんけど」って言葉使う?)高校生:使うよね~。「今日体育じゃね?知らんけど」みたいな…。「知らんけど」って使っとけば、何とかなるかなみたいな雰囲気出てます
高校生:確実じゃないけど共感するときに使う

渋谷の高校生に聞いた、今流行している言葉のランキングでは、3位に入ったことも。
なぜ、「知らんけど」が東京の若者にもはやりだしたのか?言語文化に詳しい武庫川女子大学言語文化研究所の佐竹秀雄教授は、その理由をこう分析する。
武庫川女子大学言語文化研究所 佐竹秀雄教授:東京の言葉・会話・コミュニケーションは表面的。それに対して関西は、相手の懐に飛び込むのが上手な会話法。配慮しながらしゃべる関西弁の特徴、面白さを重視する関西弁の特徴。両方備えているのが「知らんけど」という言葉だった。その面白さが東京に広がっていった
新語・流行語大賞にノミネートされるほど流行しているという、関西弁の「知らんけど」。使い方はさまざまだ。
・深刻な話を和らげるため・不確かな情報を伝える際に責任回避のため・話の最後に「知らんけど」と付けることで、「知らんのかい」とつっこまれるためのボケとして
「知らんけど」が若者に受け入れられる理由として、武庫川女子大学の佐竹秀雄名誉教授は、「あいまいにすることで相手の気持ちに入っていける」ことと、「SNSとの親和性の高さ」を指摘する。ツイッターのリツイートなどと同じ「責任回避」というスタイルが、時代にマッチしているということだそうだ。
躍進を見せる「知らんけど」。標準語になる日が来るかもしれない。
(関西テレビ「報道ランナー」2022年11月4日放送)

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