月収46万円・48歳のサラリーマン、東京の大学に進学した娘から「たすけて…」の緊急連絡に驚愕。一度は解決するも、3ヵ月後に再び「たすけて…」の唖然の理由

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実家を出るタイミングとして多いのが大学進学。まだ20歳前の子どもがひとり暮らし……親としては心配で心配で仕方がないでしょう。そんな親の想いなど知らずに、羽を伸ばして毎日を楽しむ子どもたち。そこにはちょっとした落とし穴も。
地方在住の中村悟さん(仮名・46歳)。長女は、東京の大学に進学するために、この春に上京。本当は地元の大学に進学してほしかったものの、中村さん自身、大学は東京の大学に進学。なぜ東京の大学を志望したのかは、単なる大都会・東京への憧れでした。短絡的といわれようと、やはり、地方の若者は東京に対して少なからず憧れを抱くもの。それがわかっているだけに、長女が東京の私大に進学することを止めることはできなかったといいます。
――このご時世、子どもを上京させるのは結構な負担ですね
全国大学生活協同組合連合会『「第59回学生生活実態調査』によると、東京を含む一都三県でひとり暮らしをする大学生の平均生活費は月約14.3万円。これに対し、全国平均は12.8万円。また仕送りは東京を含む一都三県での仕送り額は、全国平均と比べて約1.5万円高くなっています。
▼大学生の主な支出住居費:6万4,590円(一都三県)、5万4,130円(全国平均)食費:2万8,400円(一都三県)、2万5,880円(全国平均)教養娯楽費:1万4,650円(一都三県)、1万2,840円(全国平均)▼大学生の主な収入仕送り:8万5,690円(一都三県)、7万0,120円(全国平均)アルバイト:3万8,320円(一都三県)、3万6,110円(全国平均)奨学金:1万5,940円(一都三県)、1万9,660円(全国平均)
▼大学生の主な支出
住居費:6万4,590円(一都三県)、5万4,130円(全国平均)
食費:2万8,400円(一都三県)、2万5,880円(全国平均)
教養娯楽費:1万4,650円(一都三県)、1万2,840円(全国平均)
▼大学生の主な収入
仕送り:8万5,690円(一都三県)、7万0,120円(全国平均)
アルバイト:3万8,320円(一都三県)、3万6,110円(全国平均)
奨学金:1万5,940円(一都三県)、1万9,660円(全国平均)
もちろん、毎月の仕送りに加えて、ほとんどの大学生の親が学費を負担。学費の平均額は、国立大学の場合、入学金が約28万円、授業料が約53万円、4年間で総額約242万円。また私立大学の場合、入学金は約25万円、授業料が109万円、4年間で総額約436万円かかります。
中村さん、月収が48万円、年収が750万円ほど。長女のほか、長男の大学進学も控えており、戦々恐々としているといいます。

――やっぱり、女の子のひとり暮らしですから、心配ばかりが募ります
心配のあまり、下宿先は万全のセキュリティを誇るマンションにしたといいます。そのため余分に出費がかかっているとか。それもこれも、「大学でいい経験ができたら」という親心。しかし、そんな親の想いを子どもがきちんと理解するのは難しいことかもしれません。
上京から3ヵ月ほどたったとき、中村さんの妻に長女からSOSの電話。その内容は「お金を貸してほしい」というものでした。十分仕送りもしているし、アルバイトをしているとも聞いています。それにも関わらず、お金を貸してほしいとは、何か犯罪にでも巻き込まれたのではないか……詳しい話を聞いていくと、クレジットカードの使い過ぎであることが判明。2022年4月1日から成人年齢が引き下げられ、満18歳以上(高校生を除く)であれば親権者の同意を得ずにクレジットカードを作成できるようになりました。ただリテラシーが低いにも関わらずカードを作り、結果、返済で大変な思いをする若者が増えています。
アルバイト代では月の返済が追い付かず、助けを求めてきた長女。中村さんは、「今回のことはいい勉強だと思って、反省しなさい」と叱り、残りの返済を肩代わりすることに。しかしその額を聞いて驚きました。「5、50万円!?」。カードの限度額は30万円だというものの、カードを複数枚作り、散財していたよう。あまりの金額にめまいがしたものの、一度、「あとはお父さんにまかせなさい」といった手前、いまさら格好の悪いことはできません。苦々しい思いをしながら長女の口座に50万円を振り込み、きちんと返済した証拠を送ってもらったといいます。
そんなドタバタ劇から3ヵ月後。中村さんの妻に、またもや長女からSOSの電話。その内容も「お金を貸してほしい」というものだったといいます。なぜお金が必要なのかというと、またもやクレジットカード。懲りることなく、またカードで散財をしていたというのです。そして今度は残債70万円と、前回よりも増えている……。同じ過ちを繰り返す長女に対して堪忍袋の緒が切れ、「ふざけるな!」「今すぐ帰ってこい!」と激怒したといいます。
果たして、中村さんの長女は何にお金を使っていたのでしょう。
――明細を見たんですが、ブランドものでした。地元には高級ブランドの店なんてないので、東京に行ってテンションが上がってしまったんでしょう……仕送りを受けている大学生には高すぎます
一般社団法人日本クレジット協会『大学生に対するクレジットカードに 関するアンケート(令和元年度)』によると、大学生の61.1%がカードを所持。そのうち自分名義のカードの所持率は79.5%。単純計算、48%の大学生が自分でカードを作っています。1ヵ月の支払額の最多は「1万~3万円未満」で34.6%でした。また18歳~25歳の男女に行った『令和4年度クレジットカードに関する若年者向けアンケート』によると、毎月の返済額が一定になるというメリットがある一方で、手数料が高かったり、支払総額の把握や計画的な利用が難しかったりなどのデメリットが指摘されるリボ払いについて、その仕組みを理解していないという若者は47%と過半数近くにのぼっています。
大学進学を機に、我が子が実家を離れる親子も多いでしょう。子どもを送り出す前に、しっかりと金融教育を施すことが重要といえそうです。

[参考資料]
全国大学生活協同組合連合会『「第59回学生生活実態調査』
一般社団法人日本クレジット協会『大学生に対するクレジットカードに 関するアンケート(令和元年度)』
一般社団法人日本クレジット協会『令和4年度クレジットカードに関する若年者向けアンケート』

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