《アート引越センター社員逮捕 パンツ脱がせて撮影》フィフィが考えるメディアが「いじめ」と報じることの意義

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

同僚男性の下着を脱がせた上にケガをさせた疑いで、アート引越センターの社員である男性4人が警視庁に逮捕された。4人は被害男性を押さえつけて無理やり衣服や下着を脱がせ、全治3週間のケガを負わせたと見られている。ほかにも男性はバリカンで髪を刈られるなどの被害に遭い、今年5月に警視庁に「いじめにあっている」と相談していた。アート引越センターは「事実関係を確認して厳正に対処する。再発防止に努める」とコメントしている。
【写真】実際のツイート内容 多くの媒体が「いじめ」という言葉を見出しに使って、このニュースを報じた。しかし、刑事事件になっている以上、「いじめ」という表現では軽すぎるように感じた人々も多いようだ。ネット上では〈いじめじゃなくて犯罪〉〈犯罪を矮小化している〉〈罪名で報道するべき〉といった声が続出し、反響を呼んでいる。 歯に衣着せぬトークで人気を集めるエジプト出身タレント・フィフィ(46)も、違和感を覚えたひとりだ。そんな思いから11月10日に〈これをなぜ「いじめ」と報じるのでしょうか?〉とツイートしたところ、予想外の反響があったという。「『いじめではなく、れっきとした犯罪だ』という反応ばかりだと思っていたんです。でも予想外の意見があって、びっくりしました。その意見を読んで、犯罪をいじめと報じることによる“意外な効果”について想像してみることができました。ある種の意義、みたいな言い方をすると変かもしれませんが」(フィフィ、以下同) 意外な効果、それは“いじめ”と“犯罪”をリンクさせることだ。「今回の事件で行われたことは、すごく子どもじみた嫌がらせ行為ですよね。大人の社会に限らず、今まさに同じような“いじめ”をしている子どもたちも世の中に存在するのかもしれません。そんな人々がもし仮に『傷害罪で逮捕』というニュースを目にしたところで、自分とは関係のない話だと思い込んでしまうのではないかと思うんですよ。 今回の事件を報じるいくつかのメディアでは“いじめ”と表現されていますが、加害者たちはちゃんと逮捕されています。“いじめ”と“犯罪”をリンクさせることで、今まさに誰かに嫌がらせなどを繰り返している人々に『自分たちのやっていることは犯罪なんだ。逮捕されるような行為なんだ』と認識させる効果があるのではないか……という指摘は、なるほどなと感じる部分がありました。おそらくマスコミにそのような意図はなく、たまたまだとは思いますが」 いじめと犯罪をリンクさせることに意義を感じるからこそ、フィフィは「未成年による“いじめ”も犯罪として報道するべき」だと考える。「まだまだ世間の認識が足りていない以上、『いじめで逮捕』という伝え方は有効なのかもしれません。だからといって、『意外な効果がありそうだから、なんでもかんでも“いじめ”として表現していこう』と主張したいわけではありません。 今回は、大人による犯罪を“いじめ”と表現することで、いじめと犯罪をリンクさせる効果もあった。でもそれなら、子どもによる“いじめ”を犯罪として扱うことで、子供であろうがいじめは犯罪と同じ行為だと認識させることにつながるのではないでしょうか。世間の認識を変えるためには、さまざまな切り口からアプローチしたほうが効果的なはず。今後、後者のような報道も出てきてほしいですね」“いじめ”報道は気づきのきっかけとなるか。
多くの媒体が「いじめ」という言葉を見出しに使って、このニュースを報じた。しかし、刑事事件になっている以上、「いじめ」という表現では軽すぎるように感じた人々も多いようだ。ネット上では〈いじめじゃなくて犯罪〉〈犯罪を矮小化している〉〈罪名で報道するべき〉といった声が続出し、反響を呼んでいる。
歯に衣着せぬトークで人気を集めるエジプト出身タレント・フィフィ(46)も、違和感を覚えたひとりだ。そんな思いから11月10日に〈これをなぜ「いじめ」と報じるのでしょうか?〉とツイートしたところ、予想外の反響があったという。
「『いじめではなく、れっきとした犯罪だ』という反応ばかりだと思っていたんです。でも予想外の意見があって、びっくりしました。その意見を読んで、犯罪をいじめと報じることによる“意外な効果”について想像してみることができました。ある種の意義、みたいな言い方をすると変かもしれませんが」(フィフィ、以下同)
意外な効果、それは“いじめ”と“犯罪”をリンクさせることだ。
「今回の事件で行われたことは、すごく子どもじみた嫌がらせ行為ですよね。大人の社会に限らず、今まさに同じような“いじめ”をしている子どもたちも世の中に存在するのかもしれません。そんな人々がもし仮に『傷害罪で逮捕』というニュースを目にしたところで、自分とは関係のない話だと思い込んでしまうのではないかと思うんですよ。
今回の事件を報じるいくつかのメディアでは“いじめ”と表現されていますが、加害者たちはちゃんと逮捕されています。“いじめ”と“犯罪”をリンクさせることで、今まさに誰かに嫌がらせなどを繰り返している人々に『自分たちのやっていることは犯罪なんだ。逮捕されるような行為なんだ』と認識させる効果があるのではないか……という指摘は、なるほどなと感じる部分がありました。おそらくマスコミにそのような意図はなく、たまたまだとは思いますが」
いじめと犯罪をリンクさせることに意義を感じるからこそ、フィフィは「未成年による“いじめ”も犯罪として報道するべき」だと考える。
「まだまだ世間の認識が足りていない以上、『いじめで逮捕』という伝え方は有効なのかもしれません。だからといって、『意外な効果がありそうだから、なんでもかんでも“いじめ”として表現していこう』と主張したいわけではありません。
今回は、大人による犯罪を“いじめ”と表現することで、いじめと犯罪をリンクさせる効果もあった。でもそれなら、子どもによる“いじめ”を犯罪として扱うことで、子供であろうがいじめは犯罪と同じ行為だと認識させることにつながるのではないでしょうか。世間の認識を変えるためには、さまざまな切り口からアプローチしたほうが効果的なはず。今後、後者のような報道も出てきてほしいですね」
“いじめ”報道は気づきのきっかけとなるか。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

SNSでもご購読できます。