台風5号、岩手に上陸し記録的な大雨…久慈市や岩泉町で住民が孤立状態に

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台風5号は12日朝、岩手県大船渡市付近に上陸し、日本海側へと横断した。
県内は記録的な大雨に見舞われ、沿岸部を中心に床上浸水や道路の崩落などの被害が出た。県によると、12日午後7時現在、けが人は確認されていないという。
気象庁によると、12日の24時間降水量の最大値(午後8時時点)は、同県久慈市下戸鎖で368・5ミリ、大槌町大槌で273・5ミリとなり、いずれも観測史上最大を記録。同市下戸鎖では、10日の降り始めから12日午後8時までの総雨量が482・5ミリで、平年の8月1か月分の2・6倍となった。
県の発表などによると、宮古市で住宅1棟が床上浸水したほか、同市や岩泉町、釜石市で住宅計6棟が床下浸水する被害が発生。岩泉町で5世帯13人が孤立状態となっているが、連絡は取れているという。久慈市でも一部地域で計15戸が孤立状態となり、市が住民の安否確認を進めている。
また、県は12日、久慈市の滝ダムの水位が上がったとして、ダムへの流入量と同じ水量を下流に流す「緊急放流」を実施。市は一時、ダム下流の長内川沿いの長内町と小久慈町の4177世帯8300人を対象に、避難情報で最も危険度の高い「緊急安全確保(警戒レベル5)」を出した。
台風は日本海を北に向かい、13日に熱帯低気圧に変わる見通し。同日午後6時までに予想される24時間降水量は多い所で、北海道150ミリ、東北120ミリ。北日本は14日まで大雨になる見通しで、気象庁は警戒を呼びかけている。
同庁によると、台風が東北の太平洋側から上陸したのは、1951年の統計開始以降、3例目。当初は、日本の東の海上を北に通り過ぎるとみられたが、北東側にある高気圧の勢力が強く、向きを変えて岩手県に上陸する進路をとった。

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