ビタミンC不足は壊血病や倦怠感、貧血を招くことも。偏食や喫煙、ストレスの多い人は特に不足しやすく、飲み物からの摂取効果についても解説します。
※この記事はメディカルドックにて『「ビタミンCが多い飲み物」3選!”過剰摂取”で現れる症状も管理栄養士が解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。
監修管理栄養士:神尾 澄恵(管理栄養士)
病院、介護老人保健施設、特別養護老人ホーム、介護付き有料老人ホームにて15年にわたり給食管理業務に従事。管理栄養士取得後は病院で栄養管理業務に従事。栄養指導、特定検診保健指導、他NST、褥瘡回診など幅広く活躍中。東京都糖尿病療養指導士取得。患者さん、入居者さんが楽しめる食事提供を心がけています。

ビタミンCは、水溶性ビタミンの一種です。16世紀から19世紀にかけての大航海時代に、新鮮な野菜の果物や摂取量が極端に少なかった船員たちの間で流行した、壊血病を予防する成分として、オレンジ果汁から発見された栄養素です。 多くの哺乳動物では、体内でブドウ糖からビタミンCを合成することができますが、ヒトのほか、一部の動物は、合成に必要な酵素がないため、ビタミンCを合成できません。そのため、食事からビタミンCを摂取する必要があります。ビタミンCの化学名はアスコルビン酸です。生体内では通常還元型のL-アスコルビン酸または酸化型のL-デヒドロアスコルビン酸の形で存在しています。

ヒトはビタミンCを体内で作れないため、日本人の食事摂取基準2025年版では、下記のように設定されています。通常の食事による過剰摂取による健康被害の報告はないため、耐用上限量は定められていません。
男性(18歳以上):80㎎/日。100㎎/日
女性(18歳以上):80㎎/日。100㎎/日
妊婦(付加量):+10㎎/日。+10㎎/日
授乳婦(付加量):+40㎎/日。+45㎎/日
※推定平均必要量:半数の人が必要量を満たす量 ※推奨量:ほとんどの人が必要量を満たす量 ※耐用上限量:健康に悪影響を及ぼすことなく摂取できる最大量

ビタミンCが著しく不足すると、コラーゲンの合成が正常に行われなくなり、血管や皮膚、歯ぐきなどの組織がもろくなります。この状態が壊血病です。主な症状としては、歯ぐきからの出血や腫れ、皮下出血、傷が治りにくい、強い倦怠感、顔色不良、貧血などがみられます。重症化した場合には、全身の衰弱や感染症にかかりやすくなるなど、日常生活に支障をきたすこともあります。
ビタミンCは鉄分やマグネシウムなど、疲労回復に効果のある栄養素の吸収を補助します。また、筋肉疲労などに効果のあるカルニチンの生合成にもビタミンCは欠かせません。そのため、不足すると回復が遅くなり、倦怠感を感じることがあります。
ビタミンCは赤血球の生産を補助するとともに、鉄分の吸収を強化する役割があり、貧血の予防、防止を補ってくれます。不足すると、血流が低下や酸素不足が生じ、貧血傾向になることがあります。

偏食・少食:ビタミンCは、野菜や果物に多く含まれています。そのため、食生活が偏っている方や食べる量が少ない方は、不足しやすくなります。
喫煙者:1本の煙草を吸うことで、約25㎎~100㎎のビタミンCが失われるといわれています。喫煙者は、非喫煙者に比べてビタミンCの消費量が増加します。
ストレスの多い人:ビタミンCは、ストレスに対抗するホルモン「コルチゾール」の生成に必要な栄養素です。ストレスがかかると「アドレナリン」というホルモンが大量に分泌され、ストレスに対抗します。その際に体内で大量のビタミンCが消費されるため、ストレスの多い人は、不足しやすい傾向にあります。

ビタミンCが含まれている飲料でも、抗酸化作用など、一定の効果は得られるようです。しかし、光や熱に弱い性質がありますので、直射日光や高温、製造工程でビタミンCが少なくなっている可能性はあります。また、糖入りのビタミンC飲料も販売されていますので、糖分の過剰摂取には注意が必要です。

ここまでビタミンCが多い飲み物について紹介しました。ここでは「ビタミンCが多い飲み物」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。
神尾 澄恵
ビタミンCを手軽に摂取できるものとしては、ビタミンC含有量の多い飲料が効率よく摂取できます。含有量が多いものとして、アセロラドリンク、グレープフルーツジュース、青汁などです。また、ビタミンC含有量が強化された飲料も手軽に摂取できます。 食品では、果物、生野菜などです。特に果物ではキウイ、イチゴなど、野菜ではカットサラダなど。スーパーやコンビニでも購入できるため、忙しいときでも、比較的摂取しやすいのではないでしょうか。
ビタミンCはヒトの体内では合成できない栄養素です。壊血病、肌荒れ、ストレス対策、貧血予防などに働く栄養素です。体内で合成できないため食品や飲料などで補う必要があります。手軽に摂取できる飲料としては、ビタミン強化の飲料のほか、ビタミンC含有量が多く含まれている飲料は、アセロラジュース、グレープフルーツジュース、青汁などです。飲料には加工の段階でビタミンCが減少しているものや、糖分が多く含まれているものもありますので、飲料を選ぶ際には食品表示のラベルを参考にしてください。 過剰摂取についての健康障害のリスクは少ないですが、まれに嘔吐や下痢、腎機能障害の報告がありますので、摂取量に関しては日本人の食事摂取基準2025年版の推奨量100㎎をひとつの目安にしましょう。 一度にたくさん摂取しても、水溶性ビタミンのため、尿とともに排泄されて体内に長時間溜めておくことができないです。摂取はこまめに、できれば毎食取り入れられるようにすることをおすすめします。飲料の他には野菜、果物に多く含まれています。毎日の食事にとりいれてみてはいかがでしょうか。
「ビタミンC」と関連する病気は8個ほどあります。 各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

壊血病
下痢
嘔吐
腎機能障害
ストレス
「ビタミンC」と関連している、似ている症状は4個ほどあります。 各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
貧血
参考文献
ビタミンCの働きと1日の摂取量 | 健康長寿ネット
ビタミンC欠乏症 – MSDマニュアル プロフェッショナル版
ビタミンC過剰 – MSDマニュアル家庭版