一体、どれだけの被害者がいるのか――。12月9日、神奈川県警は、元プロ野球選手の美嶋隼人容疑者(43)を、不同意わいせつ未遂の容疑で逮捕(再逮捕)した。美嶋容疑者は、現役時代は堂上隼人の名で2008年から福岡ソフトバンクホークスに所属し、捕手として4年間プレー。2012年に性犯罪を起こして契約を解除されたが、球界を離れた後も同様の過ちを繰り返してきたというわけだ。報道によれば、今年6月に不同意わいせつ罪で逮捕されて以来、次々と余罪が発覚してこれで逮捕されること実に8回目。2020年からの5年間で11件、計11人に性的な被害を加えたという。遡れば、およそ20年前の2005年頃にも逮捕経験があるというから、ここまで来ると更生は相当困難と言っても良いだろう。
【写真を見る】何度も性犯罪を繰り返す美嶋容疑者の現役時代
なぜ元プロ野球選手はここまで転落したのか。その素顔とはどのようなものだったのか。「週刊新潮」では今年6月の逮捕の際に、その人物像を取材している。以下、それを再録し、彼の「表の顔」とおぞましき「裏の顔」について詳らかにしてみよう。
(「週刊新潮」2025年6月26日号記事の再録です。文中の年齢、役職等は当時のものです)
***
性犯罪は再犯率が高いとされる。ゆがんだ性的嗜好は病気のようなもので、矯正が難しい。10年以上の時を経ても同じ手口で犯行を重ねるケースがあるのだ。
6月12日に神奈川県警が不同意わいせつ容疑で逮捕した自称清掃業、美嶋(みしま)隼人容疑者(43)もまたしかり。
県警詰め記者が語る。
「美嶋は20年前と13年前にもわいせつ事件を起こし、有罪判決を受けています。13年前、2012年当時は、堂上(どううえ)隼人の名前で福岡ソフトバンクホークスの捕手としてプレーしていた。事件は現役プロ野球選手の不祥事として大きく報じられ、契約は解除。懲役2年の実刑判決が確定しました」
のちに美嶋へと改姓していたが、
「6月12日の午前8時過ぎ、横浜市旭区にある自宅マンションの敷地内で逮捕されました。容疑は4月20日午後11時35分ごろ、旭区に隣接する保土ケ谷区内で専門学校に通う18歳の女性の上半身を触るなどした疑いです。二人に面識はなく、女性は道を歩いていて突然、被害に遭ったといいます」
被害女性の親族の通報によって、事件が発覚。
「現場周辺の防カメ映像などから美嶋が浮上し、逮捕に至りました。美嶋は逮捕後、泰然として“弁護士が来るまで話しません”と認否を留保したといいます」
目下、警察は市内で発生した複数の類似事案への関与も調べているという。
横浜市出身で、3歳から野球を始めた美嶋容疑者。私立武相高校では夏の県予選で1学年上の松坂大輔と戦い敗れたこともある。横浜商科大学に進むと、4年時の03年には日米大学野球にも出場した経歴を持つ。
野球ライターによれば、
「彼の売りは強肩強打でした。大学卒業後は社会人野球の日産自動車と独立リーグの香川オリーブガイナーズを経て、ソフトバンクに08年育成ドラフト5位で入団。09年の開幕前に支配下選手登録を勝ち取りましたが1軍に定着できなかった。相手の研究も練習も人一倍真面目に打ち込む努力家だったんですけどね」
美嶋容疑者を高校時代から知る男性が憤る。
「プロ入りまでの苦労を見ていたので、本気で応援していました。10年の日ハム戦に初スタメンで出たときは仲間で居酒屋に集まって観戦しましたよ。でも、見事に裏切られました」
12年8月から10月にかけて、美嶋容疑者は福岡県警に3回逮捕されていた。
「いずれも、福岡県内での面識のない女性に対する強制わいせつです。被害者は、当時17歳だった少女に18歳の女子短大生、20歳のアルバイト女性。“殴るぞ”などと言って駐車場に連れ込んだり、被害者のアパートの通路で暴行したりしている。被害者は今回と同じ年齢層じゃないですか」
3件のうち2件は示談などで不起訴。17歳少女の事件で、懲役2年の実刑判決が下されている。
「許せないのは、福岡で逮捕された際にソフトバンク幹部が会見して明かした、日産時代の性犯罪で有罪判決を受けていた事実。幹部は本人の言動や真面目な練習態度を見て更生したと判断したと話していました。後から調べたら、日産は1年半で辞めていて、その要因となったのが、いまから20年前の05年ごろに起こしたこの性犯罪でした」
さらに、と続ける。
「香川にいるとき、メジャーリーグのボストン・レッドソックスのスカウトの目に留まって入団交渉までしたのに見送られたことがあった。その原因も日産時代の性犯罪だったのです。あいつは、野球に対する姿勢は超がつくほど真面目な一方で、酒が入ったら豹変するタイプ。酔って女の人を口説くこともありました。けれど、まさか、こんなに年を経てわいせつ行為を繰り返すなんて……」
***
神奈川県警によれば、この12月の逮捕案件は、市内在住の専門学校生(20)やアルバイト女性(23)に今年4~5月、わいせつな行為をしようとした疑い。今年2月には、やはり市内在住、高校2年生の女子(16)に路上で性的暴行を加え、この容疑でも7月に逮捕されている。捜査は11件で終結、立件される見通しで、当然ながら厳罰が予想される。折しも今年はソフトバンクが日本一に輝いたが、古巣にも泥を塗ってしまっている格好だ。彼の悪癖が改善される日は果たして訪れるのだろうか。
関連記事「銀座のクラブで『今晩この女と寝るから、お前コンドーム買ってこい』 万引きで逮捕された350勝投手『米田哲也』の豪快エピソード」では、今年発生した、往年の大投手の逮捕事案とその人物像について詳述している。
デイリー新潮編集部