経済的に自立し、早期リタイアする「FIRE」は、多くの会社員にとって憧れかもしれません。職を手放すことにより、自由な時間をたくさん手に入れられるでしょう。しかし、長年勤めてきた人がなんとなく想像する「無職」と、50代で本当に経験した人の「無職」は乖離があるようです。そこには、想像を絶する恐ろしさがありました――。本記事では、竹本和広氏の著書『自分らしく生きる定年後の仕事 50代の働き方は「複業」で変わる!』(ごきげんビジネス出版)より、50代で考えるライフプランについて解説します。
「FIRE(Financial Independence Retire Early)」とは、経済的自立と早期リタイアを意味する言葉です。私は会社員のときに、老後はのんびり過ごしたいと考えていたため、FIREしたい人の気持ちもわかります。しかし無職と複業を経験した現在、仮に将来経済的余裕があったとしても、仲間と一緒に働いていたいです。働かない毎日は生きがいを失う気がするからです。
嫌な仕事なら早く辞めたいと思うかもしれませんが、やりたい仕事ならずっと働きたいと思えるのではないでしょうか。あなたにも、無職の生活は漠然と想像がつくと思います。しかし想像と現実は違います。何事も自分が体験しないとわからないことが多いでしょう。
やるべきことがないと、本当に1日は長く、つらい時間です。本来楽しいはずの遊びも、心から楽しめません。定年後も社会とつながる方法はいろいろとあるでしょう。私は「働き続けることこそが、社会とつながる最良の方法」だと思うようになりました。
あなたはどのように思うでしょうか? 質問をしますね。
「何歳まで働きたいですか?」
「生涯現役で働く」と決めているものの、いつどこでどうなるかはわかりません。近年では終活セミナーの開催を目にする機会が増えました。人生の最後を準備したい高齢者の方々や、親の終活をサポートするために参加する我々世代も多いのだろう、と想像しています。人生の青写真を描いた私は人生のおわりも意識し、自分の死についても考えるようになりました。
自分の死に関して、多摩大学の田坂広志名誉教授の著書『運気を引き寄せるリーダー七つの心得』(光文社)から影響を受けたので紹介します。田坂名誉教授の「死を直視する人生における2つの真実」です。
《死を直視する人生における3つの真実》1.人は、必ず死ぬ2.人生は、一度しかない3.人は、いつ死ぬかわからない
《死を直視する人生における3つの真実》
1.人は、必ず死ぬ
2.人生は、一度しかない
3.人は、いつ死ぬかわからない
この3つを自宅のデスク前に貼りつけています。毎日目にすることで、人生のおわりを意識しながら生きている感覚があります。人生のおわりを意識すると、1日1日を大切に生きていこう、という気持ちになり日々の行動が変わっていきました。
人生のおわりを、どのように迎えたいですか? ライフプランを考えるうえで、80歳の先、人生のおわりから逆算してみてはいかがでしょうか。
50代からは、後悔しない時間の使い方が非常に大切だと感じています。やり残したことはありませんか? あなたと一緒に、後悔しない人生を送れたらうれしく思います。
【50代を後悔してる理由ベスト10】1:定年後の人生設計をしておくべきだった2:モチベーションがどうしても湧かなくなってしまった3:組織の名前でないアイデンティティを確立できていなかった4:地域デビュー、妻と旅行等、趣味は暇つぶしにしかならなかった5:「働かないオジサン(オバサン)」になってしまった6:思考停止という生活習慣病になってしまった7:退職金・年金があまりに少なくてシュンとなってしまった8:低い条件の定年再雇用に甘んじてしまった9:もっとやりたいことにチャレンジすれば良かった10:自分の可能性を過小評価していた※1万人の調査結果出典:「50代 後悔しない働き方」(大塚寿、青春出版社)
【50代を後悔してる理由ベスト10】
1:定年後の人生設計をしておくべきだった
2:モチベーションがどうしても湧かなくなってしまった
3:組織の名前でないアイデンティティを確立できていなかった
4:地域デビュー、妻と旅行等、趣味は暇つぶしにしかならなかった
5:「働かないオジサン(オバサン)」になってしまった
6:思考停止という生活習慣病になってしまった
7:退職金・年金があまりに少なくてシュンとなってしまった
8:低い条件の定年再雇用に甘んじてしまった
9:もっとやりたいことにチャレンジすれば良かった
10:自分の可能性を過小評価していた
※1万人の調査結果
出典:「50代 後悔しない働き方」(大塚寿、青春出版社)
竹本 和広
セカンドキャリアコーチ
株式会社ライフシフトラボ 複業トレーナー
※本記事は『自分らしく生きる定年後の仕事 50代の働き方は「複業」で変わる!』(ごきげんビジネス出版)の一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が本文を一部改変しております。