石破茂前総理が23日のABEMA的ニュースショーに生出演。2024年10月1日の就任以来、総理としての386日間を振り返った。
【映像】石破前総理がぼやき連発(実際の様子)
石破前総理は「これ以上のことはできなかったというのは断言できる。もっとこうしておけばよかった、ああしておけばよかったというのはあるけれど。本当に内閣もみんなすごくやってくれた。政府をみんなで支えてくれた。だから、これ以上のことはできなかったと断言できるのは、ある意味幸せなことだ」とコメント。
その中で最も苦労した点については「みんなしんどかったし、楽なことなんて何もないけれど、やっぱり日米の関税交渉はしんどかった。赤沢(亮正)経産大臣は本当によくやってくれた。あとは関西万博、TICAD(アフリカ開発会議)もあったから、1年の間に90の国、あるいは国際機関の大統領や首相……1年の間に90をやると思うとなかなか大変。アフリカ開発会議は横浜でやっていて、2日で34カ国だった。これは、どこがどこで何がなんだかみたいな話では、せっかく向こうもはるばるアフリカから来ているのだから、来てよかったと思って帰ってもらわんといかんわけだ。これはなかなかしんどかった」と明かした。
ジャーナリストの青山和弘氏は「石破氏に対する期待も集まって政権が発足したと思うが、のっけの衆議院選挙で2000万円問題なども影響し、過半数割れになった。これさえなければもっと全然違う景色が広がったと思うが、予算委員会を開かずにやってしまったとか、ここに関してはもうちょっとうまくやれなかったかなと思うことは?」と質問を投げかけた。
これに石破前総理は「これは私の間違いだ。総裁選挙の間に衆参の本会議をやって、代表質問を受けて、衆参の予算委員会をきちんとやって、解散しますということを言っていた。実際に総理総裁になってみると、『とにかく早く解散しろ』という人ばかりだった。党首討論は大体30分だが、これを45分だかにのばすのが大変だった。これはもう誰が反対しようと、予算委員会をきちんとやって解散しますというのを私が貫くべきだった。これは間違いだった」と後悔を口にした。
続けて「やり残したことはいっぱいあるけれど、関税交渉にしても、コメの増産方針にしても、防災庁の設置にしても、担当大臣たちが本当によくやってくれた。あれこれ言えばきりはないが、この1年間に直面した政策課題はこれ以上のことはできない」と語った。
総理としては発言にも気をつけていたそうで、「少数与党だから、いろいろなテーマごとに『これは立憲さんと一緒にやりましょう』『これは維新さんとやりましょう』とか、たびたびに相手が違うわけだ。どうやってその党とうまくやるかと、いう言い方はよくないか。野党はいっぱいあるわけで、『なんでうちと組んでくれないの?』とか、野党の中で全然違うわけで。自民党の中だって、『なんであそこと組むんだ』みたいな話があって。それはもう大変。過半数を持っていれば、なんだかんだ言われても、最後は多数決なんだけど、過半数を持っていないじゃないですか。賛同してくださる野党の方にしても、それは支持者が後ろにいっぱいいるわけだから、そういう支持者の人たちが、これは自民党と組むのもこういうわけなんだねと納得してもらわないと組めない。『石破さんの言っていることはわかりにくい』『まどろこしい』『石破構文』とかいろいろ言われるけど、それを納得してもらわないとどうにもならない、法律は一本も通らない」と振り返った。
石破前総理のコメントを聞いて、青山氏は「やっぱり衆議院で過半数割れをしたことで、野党との交渉をしていかないといけないという立場になった。それまで自民党は過半数を持っていたわけだから。そこから石破政権は非常に難しくなったし、石破カラーも出しにくくなったというのが、結局最後まで尾を引いたと思う」との見方を示した。
(『ABEMA的ニュースショー』より)