あるのは笑いではなく怒りだった。俳優・演出家のラサール石井が6月30日に社民党から参院選(3日公示、20日投開票)に比例代表候補としてチャレンジすると表明。コント赤信号でデビューしたラサールだが、記者会見では笑いを封印した。スカウトした福島瑞穂党首はラサールの魅力を「政治への怒りがある」と指摘。ラサールに怒ってそうなあのことを聞いた。
スーツを着用し、髪形はしっかりセット。1977年からコント赤信号で芸能活動をスタートし、バラエティーや声優、俳優として活躍するなどしたタレントだけに会見慣れしており、余裕をもって自身の政治にかける思いを語った。
福島氏からの熱心な勧誘を受けて悩みながらも5月に承諾。訴えたい政策として「社民党は社会保険料を半額にするという政策を出しています。消費税は食料消費税をゼロにすると言っているのですが、僕自身は消費税廃止する」と話した。
会見では報道陣から「現政権を信号の青・黄・赤で例えると何色でしょうか」という狎嵜号瓩噺世錣擦燭ぜ遡笋飛んだが、「そういう答え方は記事にしやすいと思うが、そのまま答えるのは控えたい」と塩対応。また「会見で持ち味の軽妙な笑いがない。あえて笑いは封印か」と問われると、「今回はあえて封印しています」と政治家モードとなっていた。
実際、ラサールに期待されているのも笑いではない。福島氏にラサールの魅力を聞くと、「やはり狹椶雖瓩任垢茲諭今の政治に対する怒りがあるじゃないですか。自民党政治に対する怒り。怒りが本物でパワーがある」と指摘。ラサールが政権批判をするX(旧ツイッター)もチェックしていたという。
最近の自民党でラサールが怒りそうな発言があった。森山裕幹事長が6月29日に「何としても消費税を守り抜く」と発言し、ネットで大炎上しているのだ。
消費税廃止を訴えているだけに、この発言に怒っているのではないかとラサール本人を直撃すると、「怒りはあります」とキッパリ。「守るのは国民だろと。消費税を守ってどうするんだって」と違和感を訴えたうえで、「それ(消費税)がすべて社会福祉、社会保障に使われているかというとそうではないので、だったら社会保障だけの目的税にしていただきたいと思います」と考えを述べた。
社民党は参院選で得票率2%か3人以上の当選をクリアしないと公選法上の政党要件を満たせない崖っぷちにある。怒りのラサールの存在が党の命運を左右することになる。