〈「70年前の家にすでにこんな間取りが…」大正生まれ・日本人女性初の建築家のスゴすぎる住宅遺産〉から続く
日本中に眠っている個性的な物件・住宅を紹介している。チャンネル登録者数75万のYouTubeチャンネル『ゆっくり不動産』。
【スゴすぎ!】応募殺到した築74年の廃墟団地の驚愕の中身を写真で見る
そんな人気チャンネルを運営している中の人に、これまで見てきた中で驚いた物件やロマンを感じた物件などを聞いた。(全5回の5回目/最初からを読む)
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――日本でも空き家などを活用している物件はありましたか?
ゆっくり 福岡にある築74年の廃墟団地ですね。数年前に公的住宅としての使用期限が切れてから廃墟になっていたんですが、その後買い取ったオーナーがプロジェクトを始めたんです。
数年間放置されていたので、電気水道ガスなども整備されていないままの状態で貸し始めました。自分たちでDIYをやるという前提で毎月1万円の家賃のみ。そしたら応募が殺到して今では満室になったみたいです。
廃墟団地(YouTubeチャンネル『ゆっくり不動産』より)

――家賃1万円で借りられるのはかなり魅力的ですね。
ゆっくり 立地的には郊外ではあるんですけど、家賃1万円で40平方メートルの物件を好きにしていいってなかなかないじゃないですか。空き家を活用する方法としてかなり魅力的な取り組みだと思います。みんなでリノベしていけばまた次に住む人に繋がっていくので、すごく素敵ですよね。住居としてはもちろんですが、カフェや美容室、パン屋などいろんな活用をしているみたいです。

日本の空き家も増えているので、こういう取り組みが多くなるといいなと思います。
――今までいろんなお部屋を見てきて、最近のトレンドは変わってきていると思いますか?
ゆっくり 生活の質を上げる物件が増えてきていると思います。コロナ禍を機に家にいることが増えて、在宅ワークする人も多いじゃないですか。そうすると家にお金をかけて快適に過ごしたいという人が増えてきて。例えば断熱とか、床暖房とか。音響とかもそうですね。最近だと部屋にサウナがついている物件もあって人気です。
YouTubeのコメントでもそういう部屋はかなり反響がありますね。
――『ゆっくり不動産』という名前ですが、不動産業をしているわけではないんですよね。
ゆっくり そうなんです。あくまで紹介という形でいろんな物件を撮影しています。でも、私たちの動画から物件を契約しましたという声もたくさんいただいて。
不思議な物件や謎の間取りなど面白い物件がたくさんあるんですが、実はその裏にデザイナーの空間に対する工夫やアイデアが詰まっていたりして。そういう部分をこれからも動画で紹介していけたら嬉しいです。
(「文春オンライン」編集部)