神戸市立王子動物園は6月26日、去年3月末に死んだメスのジャイアントパンダ「タンタン」の剥製と骨格標本を、中国へ返還したと発表しました。 「タンタン」は、1995年9月、中国ジャイアントパンダ保護研究センターで誕生。その後、日中共同でのジャイアントパンダの保護研究の一環で、2000年に王子動物園に来園しました。 愛くるしいルックスから「神戸のお嬢さま」の愛称で親しまれ、阪神・淡路大震災の爪痕が残る神戸の復興のシンボルでもありました。

しかし、2021年に加齢などによる心臓疾患が判明し、治療が続けられていましたが、去年3月31日にこの世を去りました。28歳だったタンタンは、人間では100歳近い年齢でした。 神戸市立王子動物園によりますと、中国との取り決めでタンタンは死後でも返還することになっていて、返還形態が中国側と協議されました。最終的に、調査研究などの観点から剥製と骨格標本にして返還することが決定。数か月の作業を経て、今年3月に剥製と骨格標本が完成したということです。 そして、剥製と骨格標本は6月25日に日本を発ち、26日に中国に到着したということです。 王子動物園は、「タンタンに関心を寄せ、愛して下さった全ての方に改めて心からの感謝を申し上げます。タンタンは生まれ故郷である中国に帰国しましたが、神戸での生涯を通じて、共同研究においてジャイアントパンダの飼育管理や治療等に関するたくさんの知見を残してくれました。今後もそうした知見を将来に引き継ぎ、ジャイアントパンダの保全に寄与していきたい」とコメントしています。