何年も使っていないものは、今のライフスタイルに合わなくなることを痛感する出来事があったのは、ものを捨てるのが苦手、でもミニマリストを目指して日々奮闘しているESSEフレンズエディターのおがわりさん。そこで得たのは、長く持ち続けるためには管理と見直しが必要だということ。今回はその経験と気づきを語ります。
15年ぶりにお葬式に参列することになりました。そこで20代後半に購入し、15年間クローゼットの奥にしまいこんでいた喪服を着ようとしたところ、思っていたものとなにかが違う。
【写真】母から譲り受けた何十年も前の乳幼児用布団
流行り廃りがなくずっと着られると思っていた喪服ですが、記憶より丈が短く、全体的な形もなんだか若い…どうも着る気になれないのです。
そして、5年ぶりに靴箱から出した黒いパンプスは、以前と同じものなのに、幅が狭く、とにかく痛い! 5年前は転職活動でよく履いた靴でしたが、その後スニーカーばかりの毎日になり足にあわなくなっていたのです。
気づいたときにはすでに遅く、買い物に行く時間もなかったので、靴はローファーを履くことにし、金具を隠すために黒のパンツスーツを着用しました。今回は近しい親戚のみの家族葬でしたが、これがほかの方のお葬式だったらと思うと、寒気がします。
この喪服の失敗から学んだことは、「いつか使う」と思って使わないものをそのまま置いておくことは間違いだということです。喪服も黒のパンプスも保管状態はよく、問題なく使えるものでしたが、その「いつか」が来たときに結局使えませんでした。その理由は、今の自分に合わなかったからです。
何年も使っていないものは、自然と今のライフスタイルに合わなくなるように思います。
娘が生まれたときの話ですが、実家の母が私の乳幼児期に使っていた何十年も前の布団をもってきて、使って欲しいと言いました。しかし、残念ながら、今の時代のベビーベッドや布団カバーのサイズと合わず、新しいものを購入することになりました。
長年使っていないものは、「いつか使うかも」ではなく、「思い出の品かどうか」という基準で、もち続けるか手放すかを決めた方がいいのかもしれません。
もう1つの学びは、ものの全体量が多すぎて、必要なものを見落としているということです。
喪服も黒のパンプスも、急な事態に対処するために常備しておきたいものですが、使用頻度が少なく思い入れもないので、普段はその存在すら忘れていたのです。私にも十数年愛用している服やアクセサリーがあります。改めて考えると、手に取る頻度が高かったり、お手入れをしたり、無意識に愛情や手間暇をかけているのです。
長くものもち続けるためにはなにかしらの管理が必要なのです。必要性が高いけれど関心の低いものの管理を続けるには、家のものの全体量を目の届く範囲にまで減らすしかないと痛感しました。
昨年ようやく準備した防災リュックも同様です。使う日が来ないことが最良ですが、いざというときに賞味期限切れの食品や動作しないバッテリーに落胆するのではないかと背筋が凍りました…。この経験を今後に生かしていきたいです。