東京の一等地・目黒区に広大な敷地を持ち、これまでも様々な著名人などが結婚式をあげてきた「ホテル雅叙園東京」。ここで結婚式を予約していたおよそ180組に、突然キャンセルの連絡が来た。
今年10月にホテル雅叙園東京で結婚式をする予定だった女性。去年4月に予約をしていたが、4日前に掛かってきた雅叙園からの電話でキャンセルを告げられたという。
雅叙園側は結婚式を9月に前倒しすることが可能な場合は、会場料やレンタル衣装料などを無料に。式を行わない場合は、迷惑料10万円を支払うと提案したという。
しかし…。
結婚式の1年以上前に予約し、10月に結婚式をする予定だった別の女性は次のようにコメントした。
女性は前倒しの提案に応じず、今も別の式場探しに奔走しているという。
一方、前倒しでの結婚式を検討している女性は?
しかしすでに9月の枠は埋まり、真夏の8月上旬での結婚式を提案された。
ホテル雅叙園東京によると、今回の問題で180組近くの予約をキャンセルしたという。
結婚式のキャンセル問題に揺れるホテル雅叙園東京、その歴史は?
今から97年前、芝浦の地に料亭として創業した雅叙園。その後目黒へと移転。館内に神殿や宴会場がそろった日本初の総合結婚式場として、これまで23万組を超える夫婦の晴れの門出を見守り“憧れの結婚式場”として今も根強い人気を誇る。
式場の周りは木々に囲まれた豊かな緑が広がり、四季折々の花が咲き、庭園の中には風光明媚な滝や池が広がり、都内にいながらも自然を感じられる。
そして中には、通りの両端には水面が広がり「招きの大門」と呼ばれる門が客を出迎える。門の上の大きな瓦屋根の上には縁結びを象徴する銅製の飾りが施されていて、訪れる夫婦を祝福する。
廊下には江戸を描いた作品が壁一面に並んでいる。一見すると絵が並んでいるように見えるが、これらはすべて木彫りの彫刻作品。江戸時代の浮世絵をモチーフにした木彫り板が並ぶ様子から「花魁(おいらん)通り」と呼ばれている。
長く続く階段は、かつて宴会で使われていた7つの部屋をつなぐ通称「百段階段」と、都の指定有形文化財となっている。天井には階段を登る客の目を楽しませる、四季の花々が描かれた扇絵が描かれている。
部屋には中華料理店でおなじみの回転テーブルが置かれている。この回転テーブル、実は雅叙園が発祥だという。
「席に座ったまま料理を取り分け、次の人に譲ることができないか」という創業者のおもてなしの心から誕生。現存する最古の回転テーブルだ。
豪華な空間はまさかの場所にも。一見、豪華な部屋の入り口に見えるが、実はトイレの入り口だ。入り口の上にはゴージャスな日本画が飾られている。
中に入ると橋が架かっており、天井にはまばゆいばかりに金を施した日本画が並んでいる。個室に入ると、中は2人以上入れるほどゆったりとした空間が広がる。ここももちろん、天井には光輝く日本画がある。
90年以上の伝統を受け継ぎ、2500点もの美術品が飾られた唯一無二の空間はまさに豪華絢爛(けんらん)だ。
絵画や文化財に囲まれ、23万組を超える新しい夫婦の旅立ちを見守って来たホテル雅叙園東京。しかし、883億円の負債を抱え2002年に経営破綻した。
その後、数々の所有者の手に渡り今年1月、カナダの投資会社が所有権の一部を取得していた。
10月の結婚式の予約をキャンセルされた女性が、雅叙園からの説明で言われたのは…。
さらにこんな説明をされた人もいる。
そもそも、なぜ休館する10月以降も結婚式の予約を取っていたのか。ホテル雅叙園東京に尋ねると、次のように答えた。
今後の再開については「我々が回答するべき内容ではない」とし、予約をキャンセルした客に対しては、「個別に寄り添った対応をさせて頂いています」とコメントしている。
(「羽鳥慎一 モーニングショー」2025年2月20日放送分より)