埼玉で起きた陥没事故。あふれる水で救助が難航するなか、番組では実際に現場を視察した復旧を進めるチームのトップに復旧への具体的なシナリオを聞きました。
県の関係者によると、これは2つ目のスロープを作る工事だと見られています。
事故から7日目、本格的な救出作業にも入れない現状が続いています。
崩落現場から泥のような水が噴き出しています。湧き出た水の温度は比較的高く、現場の作業員は「泥のようなにおいがした」と話しているということです。
次から次へと出てくる課題。
2日に現場を視察した、復旧工法検討委員会委員長の森田弘昭氏は穴まで5メートルの距離まで近づいたといいます。
1日に完成した陥没現場のスロープ。水が湧き出ているのはスロープを作った先端の部分です。
森田氏は「下水道管の亀裂が広がり水があふれている」と指摘。
下水道管の亀裂を大きくしたのは、上空からも見えた四角い管、八潮市の雨水管や八潮市の用水だといいます。
森田氏によると、雨水管や周りのアスファルトが落下したことで、下水道管が大きく破損。広がった穴の中に雨水管などのがれきがつまったことで、水が地上に出てきてしまっているのではないかとしています。
現場近くのマンホールでは、水位を下げるため、たまった汚水を吸い出す作業が行われています。穴の中に見えたのは泥水。
吸い上げた泥水は、中川下水場に運ぶといいます。
事故の余波は八潮市以外の場所にも。現場から直線距離でおよそ25キロ。東北自動車道の蓮田サービスエリアでは。
NEXCO東日本はサービスエリア内での節水や隣の羽生パーキングエリアなどの利用も呼びかけています。
下水道の使用制限が埼玉県の12の市と町に及ぶ中、支援の輪も広がっていました。
三郷市の温泉施設。警戒区域に住む人を対象に無料で施設を開放しています。
一方で市民の不安はつきません。陥没現場の近くにある飲食店は紙皿での提供を始めました。
予想外の出費に加え、売り上げにも影響が出ているといいます。
いつまでこの生活が続くのでしょうか。
復旧工法検討委員会委員長の森田氏が、完全復旧に向けた具体的なシナリオを明かしました。
現場を視察した、復旧工法検討委員会委員長の森田氏。
森田氏によると、検討されているのは別の場所に穴をあけて、下水のバイパスを作ること。バイパス工事は半年から1年で可能だといいます。
ただ現場は砂のようにもろく、復旧のカギとなるのは地面の安定化。いつ安定化できるかは見通せないといいます。
男性の救助のため、今まであったスロープに加え、3日に新たに2つ目のスロープに着工。
新しいルートでは、今残っているアスファルトをはがしたうえで、穴を広げて掘り進める方針です。
2つのルートで作業を進めるということです。