12月2日、秋田市のスーパーに立てこもったクマが捕獲された。秋田市には、クマの“駆除”に反対する声が寄せられているが、インターネット上では、こうした“苦情”に異議を唱える声があがっている──。
発端となったのは、11月30日に秋田市内のスーパーマーケット「いとく」土崎みなと店に、ツキノワグマが侵入したこと。
「47歳の男性従業員が頭を噛まれるけがを負い、クマは店内に居座り続けました。その後、警察が駆けつけ、クマは12月2日に箱わなで捕獲されたあと、麻酔をかけられ、その場で駆除、つまり殺処分したと伝えられています。そのことに対して、秋田市には『かわいそう』など苦情が寄せられているそうです」(社会部記者)
クマの出没や被害に関連するニュースが出るたび、駆除をおこなうことへの是非が議論される。今回も、クマの駆除に否定的反応を示す人もいたようだが、Xでは《苦情を入れること自体ちゃんちゃらおかしい》《今までの熊の悲惨な事故見たことないのか》といった“反対派”への不満の声が続出した。
「また、クマが頻繁に出没する地域以外から苦情が殺到している、と疑う声も多く聞かれています」(前出・社会部記者)
スーパーに居座るクマを駆除したことに対して、秋田県や秋田市にはどのような意見が寄せられているのか。本誌「SmartFLASH」は、秋田県庁に問い合わせたところ、
「12月4日の12時時点で、県の自然保護課にきたのは、電話が30件、メールは7件です。クマを殺処分したことに対して、賛成が18件(うちメールが3件)、反対は19件(うちメールは4件)になります。詳細な内容に関しては、お答えしておりません」(秋田県庁自然保護課)
と、意外にも賛否の意見はほぼ同数だったようだ。
続いて、秋田市役所にも取材した。秋田市農地森林整備課の担当者によると、12月4日時点で同課に寄せられた意見は、メールが45件、電話が81件の計126件だという。その内容について聞いた。
「反対意見としては『クマがかわいそう』『山をもっと整備すればいいんじゃないか』『命の大切さを認識してほしい』といった声が寄せられています。賛成意見としては『共存できない』『駆除してよかった』といったものになります。お電話で明かしていただけた方で反対されるのは、秋田県外の人が多い印象です。県内に住む方からは比較的、肯定的なご意見をいただいています」(担当者)
今回の件で、被害にあったスーパーマーケットは臨時休業となるなど、大きな影響を受けた。クマと人間の棲み分けが進むといいのだが……。