“紀州のドン・ファン”と呼ばれた資産家の男性(当時77)を殺害した罪に問われた元妻(28)の裁判員裁判。2日目の被告人質問が和歌山地裁で11日あり、被告は遺産目当ての結婚と説明。覚醒剤をめぐっては、過去の供述との矛盾が明らかになりました。■「遺産目当ての結婚」を堂々と明かす2018年、急性覚醒剤中毒によって亡くなった、“紀州のドン・ファン”こと野崎幸助さん(当時77)。野崎さんを殺害した罪などに問われている元妻の須藤早貴被告(28)は11日、黒のスーツ姿で法廷に立ちました。

「遺産目当てと言われていることを隠してないし、(野崎)社長本人(から)も『1000万円で結婚してくれ』『遺産をもらってほしい』とも言われていたので、遺産目当てということは誰にも隠してないです」遺産目当ての結婚だったことを堂々と明かしました。須藤被告は、野崎さんに多量の覚醒剤を摂取させ殺害した罪などに問われています。■遺産は?…「死んだらもらえる」検察側「野崎さんが死んだら遺産は?」須藤被告「『君にもらってほしい』と言われた。死んだらもらえると思っていた。社長(野崎さん)のこと恋愛対象としては見てない。うざっ!とは思いますね」財産目当ての犯行だと主張する検察側と、遺産目当ての結婚と認めたもののこれまで無罪を主張している弁護側。須藤被告は、野崎さんが死亡した後の状況についても語りました。「社長が亡くなって(野崎さんの)会社が大変になったことは知っていた」「『代表がいないのでなってほしい』と言われ、役員報酬を3000万円もらえることになり、『え?』となったが、(弁護士に)『法律上問題ない』と言われ、『ありがとうございます』と言ってもらいました」■覚醒剤を「買って渡した」と法廷で証言直接的な証拠がない中、検察側が11日に切り込んだのは、野崎さんの死因となった覚醒剤についてでした。検察側「野崎さんから覚醒剤という言葉を何回聞いたことがある?」須藤被告「初めて会った日も、前の女の話を聞いてその時も(聞いた)」検察側「使っているのを見たことは?」須藤被告「ない」これまでの裁判で須藤被告は事件の2か月ほど前、野崎さんから「覚醒剤を買ってきてくれませんか」と言われ、「買って渡した」と証言しています。■捜査段階の取り調べと矛盾する発言しかし捜査段階の取り調べでは覚醒剤について「買っていない」「野崎さんが関わっているとも思わなかった」と答えていたといいます。これは法廷で証言した、「覚醒剤を買って渡した」という発言と矛盾しています。検察側「(覚醒剤を)買って渡したと(取り調べで)言えばよかったのでは?」須藤被告「警察にそう言ったところで信じてもらえると思わなかった。怖くて言えなかった」■須藤被告「うつっぽくなっていた」検察側「野崎さんはなんで死んだと思っている?」須藤被告「友人にも『死にたい死にたい』と言ってた。うつっぽくなっていたから、自殺とか(覚醒剤の)量を間違えてたのかな?とか。あと、他殺も最初は考えたが有識者の話を聞くとそれはないんだろうと」■「完全犯罪が好きで調べていただけ」さらに検察側は、須藤被告が事件前に「老人 完全犯罪」「衝撃驚くべき完全犯罪」など、完全犯罪という言葉を何度も検索していたと指摘しました。須藤被告は「昔から殺人事件をよく見ていた。グロテスクなもの、不気味なものを調べるのが好きでした。未解決事件、サイコパス事件、完全犯罪が好きで調べていただけ」と答えました。被告人質問は15日にも行われ、12月12日には判決が言い渡される予定です。(11月11日『news zero』より)
“紀州のドン・ファン”と呼ばれた資産家の男性(当時77)を殺害した罪に問われた元妻(28)の裁判員裁判。2日目の被告人質問が和歌山地裁で11日あり、被告は遺産目当ての結婚と説明。覚醒剤をめぐっては、過去の供述との矛盾が明らかになりました。
2018年、急性覚醒剤中毒によって亡くなった、“紀州のドン・ファン”こと野崎幸助さん(当時77)。野崎さんを殺害した罪などに問われている元妻の須藤早貴被告(28)は11日、黒のスーツ姿で法廷に立ちました。
「遺産目当てと言われていることを隠してないし、(野崎)社長本人(から)も『1000万円で結婚してくれ』『遺産をもらってほしい』とも言われていたので、遺産目当てということは誰にも隠してないです」
遺産目当ての結婚だったことを堂々と明かしました。須藤被告は、野崎さんに多量の覚醒剤を摂取させ殺害した罪などに問われています。
検察側「野崎さんが死んだら遺産は?」
須藤被告「『君にもらってほしい』と言われた。死んだらもらえると思っていた。社長(野崎さん)のこと恋愛対象としては見てない。うざっ!とは思いますね」
財産目当ての犯行だと主張する検察側と、遺産目当ての結婚と認めたもののこれまで無罪を主張している弁護側。
須藤被告は、野崎さんが死亡した後の状況についても語りました。
「社長が亡くなって(野崎さんの)会社が大変になったことは知っていた」
「『代表がいないのでなってほしい』と言われ、役員報酬を3000万円もらえることになり、『え?』となったが、(弁護士に)『法律上問題ない』と言われ、『ありがとうございます』と言ってもらいました」
直接的な証拠がない中、検察側が11日に切り込んだのは、野崎さんの死因となった覚醒剤についてでした。
検察側「野崎さんから覚醒剤という言葉を何回聞いたことがある?」
須藤被告「初めて会った日も、前の女の話を聞いてその時も(聞いた)」
検察側「使っているのを見たことは?」
須藤被告「ない」
これまでの裁判で須藤被告は事件の2か月ほど前、野崎さんから「覚醒剤を買ってきてくれませんか」と言われ、「買って渡した」と証言しています。
しかし捜査段階の取り調べでは覚醒剤について「買っていない」「野崎さんが関わっているとも思わなかった」と答えていたといいます。これは法廷で証言した、「覚醒剤を買って渡した」という発言と矛盾しています。
検察側「(覚醒剤を)買って渡したと(取り調べで)言えばよかったのでは?」
須藤被告「警察にそう言ったところで信じてもらえると思わなかった。怖くて言えなかった」
検察側「野崎さんはなんで死んだと思っている?」
須藤被告「友人にも『死にたい死にたい』と言ってた。うつっぽくなっていたから、自殺とか(覚醒剤の)量を間違えてたのかな?とか。あと、他殺も最初は考えたが有識者の話を聞くとそれはないんだろうと」
さらに検察側は、須藤被告が事件前に「老人 完全犯罪」「衝撃驚くべき完全犯罪」など、完全犯罪という言葉を何度も検索していたと指摘しました。
須藤被告は「昔から殺人事件をよく見ていた。グロテスクなもの、不気味なものを調べるのが好きでした。未解決事件、サイコパス事件、完全犯罪が好きで調べていただけ」と答えました。
被告人質問は15日にも行われ、12月12日には判決が言い渡される予定です。