「眼球使用困難症」。この病名を知る人はほとんどいないだろう。失明とは異なり、眼球や網膜、視神経には異常がないのに、目をうまく使うことができない病の総称だ。
日本に数百人しか患者がいないとされるこの病に、矢野康弘さん(50)は、2017年、突如として見舞われた。彼は、かつて“東京若手芸人の登竜門”と言われた劇場「シアターD」の元支配人である。

◆マイノリティな病気であることの辛さ

◆顔が見えないからこそ、話せる・聞けることがある