大手コーヒーチェーンのトイレ内で盗撮を繰り返していたなどとして、23歳の男が逮捕されました。盗撮事件はなぜあとを絶たないのか?過去に3度逮捕された男性が、「やめたくても盗撮していた」と当時の苦悩を語りました。
記者(今月21日)「大手コーヒーチェーンのトイレで盗撮を繰り返していたとされる男が、野方警察署から出てきました」
今月21日に逮捕された、千葉県松戸市の田中瞭容疑者(23)。去年10月、コーヒーチェーン店のトイレで女性への盗撮を繰り返すなどした疑いがもたれています。
その手口が…。
110番通報「共用トイレに盗撮用のカメラが仕掛けてある」
捜査関係者によりますと、田中容疑者は、東京都内にある複数の店舗の男女共用トイレに小型カメラを数台設置。トイレを利用する女性を様々な角度から盗撮していたということです。
さらに、トイレから出てきた女性の顔をスマホで撮影し、盗撮動画と顔写真を“セット”で、SNSで知り合った男性らに販売していたとみられます。
近年、増加傾向にある盗撮事件。法務省の過去の調査によりますと、盗撮の罪で懲役刑を受けた人のうち、性犯罪の前科があったのはおよそ65%。性犯罪を繰り返す割合は、痴漢に次いで2番目に高くなっています。
「『やめたい』という気持ちがありながら盗撮していた」
関東在住の30代の男性。これまでに盗撮の疑いで3回逮捕され、その後、実刑判決を受けました。
盗撮事件で3回逮捕男性(30代)「盗撮する頻度は…週1回とか。表現の仕方があれかもしれないですけど、その当時は女性を見たら“盗撮する対象”と頭に(浮かんだ)」
およそ5年前、性的行動のコントロールが効かない「性嗜好障害」と診断された男性。クリニックが主催する患者同士のグループミーティングに、週に2回参加するなどの治療を続けています。
大石クリニック 大石雅之院長「最近どうだい、調子は」
男性「最近は変わりなく生活できている」
大石クリニック 大石雅之院長「特に変なことを考えることは」
男性「それはないですね」
男性は服役を終えてから現在までの2年間、盗撮をしない状況が続いていて、今は介護福祉士を目指しているといいます。
盗撮事件で3回逮捕 男性(30代)「ミーティングでみんな性の問題でこんなに苦しんでいて、頑張ろうとしてるから、自分も頑張ろうっていう気持ちになる。エスカレーターを使って盗撮していたので、1人のときはエスカレーターを使わず、階段とかエレベーターを使うとか心がけています」
犯罪心理学の専門家は、“盗撮の再犯率が高いからこそ、治療が有効”と指摘しています。
筑波大学 原田隆之教授「心理的な治療をすることで格段の効果がありますから、もっと広げていく必要がある」