’23年8月、りりちゃんこと渡辺真衣容疑者(当時25)が男性の恋愛感情を利用して現金をだまし取る手口を記載したマニュアルを販売したなどとして、詐欺ほう助の疑いで逮捕されたのは記憶に新しい。渡辺容疑者はマニュアルをTwitter(現・X)で販売し、購入者の個別相談もDMで受けていた。
ただ、購入者は数千人規模いるわけで、りりちゃん1人では対応しきれない。そこで彼女が作ったのがFRIDAYデジタルで’23年3月に配信した『「おじさんを騙す方法教えます」狡困女子瓮灰潺絅縫謄ーで共有されている「驚愕の情報」の中身』で紹介した「頂き女子コミュニティー」だ。LINEのオープンチャット機能を利用して「りりちゃん信者」を集め、お互いに悩みや愚痴を聞いてもらったり、りりちゃんのマニュアルをどう活用しているか、さらには応用編として信者発案の「詐欺テクニック」などが写真付きで共有される場所となっていたのだった。
本誌の記事数ヵ月後にオープンチャットは閉鎖され、りりちゃん逮捕後はそういった場所は消滅したとみられていた。
しかし’24年4月ごろに、パパ活女子向けのある「交流サイト」が誕生したという。Xでパパ活女子に向けてサイトの宣伝=集客を行い、主目的としてはパパ活女子が情報交換を行う場所、という体裁になっているのだが、覗いてみると実態は「頂き女子コミュニティー」の内容そのものだった。そのエグすぎる実態についてレポートする。
サイトの作りはしっかりしている。個人ではなく、業者が運営していると思われる。運営が提供するパパ活に関するコラムもあるが、メインコンテンツはパパ活女子からの情報提供だ。中身を見てみると「ブログ」「危険男性報告」「DM掲示板」などいくつかのテーマに分かれていてサイト利用者であるパパ活女子が投稿を行っているようだ。
サイト内に「人気ユーザーランキング」が掲載されていた。各ユーザーは会員登録する際にプロフィールを設定しているので人気ユーザーのものを数名見てみた。
《19歳、ガルバで働いてます。ギャラ飲みも顔出します。稼いだお金は整形に使いたい》
《歌舞伎の担当狂い2年生。出稼ぎとかドカタ(大人の関係)ぶん回し。お金は推しのホストにつぎ込む、早く卒業させてあげたい》
何人か見た限りでは普通の大学生や社会人は少なく、夜職、爛曠攻犬き瓠⊃討班埣隋∪扱遡榲など「頂き女子コミュニティー」にいた属性の女子と全く同じような印象だ。
「ブログ」を見てみた。そこには「初!一撃80」、「本日は角膜炎ネタで引くことに成功」など、刺激的かつ過激なタイトルの記事が投稿されていた。「初!一撃80」を見てみると次のような内容だった。
《茶飯で2ヶ月くらい会っててこの間ドカタ(大人の関係)して、私がなんでこんな活動してるかとか親身になって聞いてくれて、本心で色々話しちゃったの。自分にできること考えてみるねって言ってくれて、後日まさかの振込80万!》
投稿とともに銀行口座に80万振り込まれたことが分かる画像が掲載されている。これに対して他のパパ活女子から《憧れすぎます…dmしていいですか?》とコメントが入っていた。このサイトはユーザー同士でDMを送り合うことができるようなので詳しいノウハウを情報交換するのかもしれない。
「本日は角膜炎ネタで引くことに成功」という記事は、まさに「りりちゃんコミュニティー」をほうふつとさせるものだった。
《マジでこれは強い話なんだけど、ほんとに体調不良系で引くことが得意。今回は角膜炎になったっていう体で(実際なったことあるからその写真使う)、「目が痛すぎてコンタクトできないからメガネだしそのせいでp活もできないのに生活費がやばいし病院も行けないの!」って言ったら「会ったらご飯だけでお金あげる、メガネでいい」って言ってくれて無事引けた》
他にも《「生理になって大人できない、気分悪くてご飯も買いに行けない」と嘘をつきpaypayを送らせる》などやはりこの手の「嘘で同情を買って金を奪い取る」という頂き女子お得意の「詐欺行為」系ネタはウケがいいようでこの手の記事には大量の「いいね」がついていた。
次に「危険男性報告」というコンテンツを見てみた。ここでは会員のパパ活女子が実際に会った又はパパ活アプリ上でやり取りしたパパ活男性に関する報告が行われていた。どこのパパ活アプリで出会ったか、どんな人だったか、具体的な狠詫覘疇睛董△修靴討修涼棒のパパ活アプリのプロフィールや交換したLINEのスクショまで掲載されているのだ。プロフィールの写真は顔にモザイクがかかった状態であるもののユーザー名や年齢で探せばアプリで見つけることは容易だろう。
報告されている内容が「ハサミで勝手に服切ってくるお手当没収超危険おぢ」「ホテルで眠剤飲まされて、気づいたら1人でした」と男性側が犯罪まがいの行為をしていて晒されても仕方のないようなものもあれば、LINEの登録を拒否したらドタキャンされたというやや理不尽な理由まで、とにかく多くの男性がプロフィールつきで晒されている。
一方で「金払いが良い」「無理を言ってこない」狄瀬僖儉と呼ばれる男性も同じように晒されていた。
「大人5だったけど当日上乗せしてくれて大人6にしてくれたP」
「短時間でお茶1万を約束してくれる神P」
こちらもパパ活アプリのプロフィール画像付きで「学生より社会人が好み」など男性の趣味嗜好まで合わせて投稿されている。これを見た他のパパ活女子は「私も会いたい」とパパ活アプリで探してメッセージを送りつけるのだろう。
パパ活女子にとっては有益な情報が手に入るありがたいサイトではあり、現時点では有料会員制も取っておらずアフィリエイト等広告で収益を上げる構造にもなっていない。しかし問題点は2つある。
1つは「詐欺行為の幇助」の可能性だ。りりちゃんが逮捕された最初の理由は「相手を欺く行為を推奨するパパ活マニュアルを販売していた」という「詐欺幇助罪」だ。
このサイトの投稿内容を模倣した女性が嘘をついて相手から金をだまし取り、相手の男性がだまされていることに気づいて警察や弁護士に相談した場合、女性はもちろん、そのネタを提供した女性や共有する場所を与えたサイト側も、ただでは済まないのではないだろうか。
もう1つは各パパ活アプリ事業者に対する業務妨害だ。各事業者はプロフィールのスクショをSNS等にアップするのは規約違反であると定めているものの、個別のアカウントを追いかけるには、件数が多すぎて抑止できていないのが実態だ。
しかしこういったサイト=事業者が「晒す場を積極的に提供する」となると話は変わってくる。後ろめたい行為を行った狠詫P瓩覆薀レームもつけにくいだろうが、良識ある行動をとった(あくまで爛僖儚茲箸靴騰瓩世)狄P瓩任△襪砲發かわらず不特定多数にプロフィールを晒されたとなると、男性からクレームを入れられたパパ活サイト事業者が、このサイトを訴える可能性もゼロではない。
りりちゃんがいなくなっても「非モテの中年男性=おぢ」をターゲットにした詐欺被害や頂き女子の逮捕者が再び出ることはなくならないだろう。